今後、クレジット業界に望むこと
小林:それでは今後のクレジット業界にどのようなところを期待していきたいですか。
藤木:1つはさきほどのキャッシュレス決済比率に関連することですが、「本当はこういうお店でクレジットカードが使えてもいいのに」というところもあります。例えば地方の有名な観光地でも使えないということがある。そういう意味では、国内でもまだまだ開拓すべきところがあると思います。この国でクレジットカードが幅広く使える環境をつくっていくためにはどうしたらいいのか。例えば地方の商店街とか観光地とタイアップしていくというようなことも考えていっていただけるといいと思っています。
もう1つはクレジットカードの差別化ということで、このカードを使うとこういうメリットがあります、このようなサービスがあります。そのようなことでどんどんイノベーションを起こしていっていただきたいと思っております。そのためにはオープンイノベーション、FinTechなどの新しいプレイヤーともタイアップしながら新しいサービス、新しい利便性をつくっていただきたい。このようなことはまさに民間の知恵と工夫、そういうことから出てくると思いますので、クレジット業界の新しいイノベーションをしっかりと成し遂げていただきたいと思っております。
小林:海外ではやはりそのようなところが進んでいるというのはあるのでしょうか。
藤木:正直申し上げて、例えばFinTechみたいな話になると、ヨーロッパ、アメリカや中国では新しいサービスがどんどん出てきています。それが安全・安心との関係で本当に大丈夫なのかということはこれから検証していく必要があるのですが、日本においてもそのようなチャンスは大いにあるのではないかと思っています。どんどん新しい技術とアイデアを持った人たちがこの分野に入ってくる、出てくるということが、最終的には我々消費者のメリットになるのではないかと思っています。
小林:その中で重要となってくるのがやはりセキュリティですね。
藤木:はい、安全・安心が基盤です。もちろんクレジット取引のIC化というのは第一歩ですが、不正使用をする側の技術も上がってきます。最先端の技術にどうついていき、どのように取引の安全・安心を確保していくか、これは業界の皆さんと一緒に取り組んでいかないといけないことだと思っております。
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