最後に、今回試用させていただいたASUSの「STRIX」シリーズについて触れておこう。グラフィックスカードの処理能力はGPU自体の性能がもっとも大きな要素となるが、動作の安定性や静粛性、耐久性などは、グラフィックスカードを製造するメーカーに大きく左右される。グラフィックスカード各メーカーにはそれぞれ特徴があり、「STRIX」シリーズは処理能力を含め全体的な性能を向上させているブランドとなるが、特に重点が置かれているのは静音性能といっていいだろう。「STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMING」にてその特徴を確認してみよう。

猛禽類を連想させる静かな動作と高い性能を備えたSTRIXシリーズ

STRIXシリーズの外見的な特徴は、フクロウやミミズクの瞳のようなデザインのGPUクーラーだ。このクーラーには、冷却ファンの先端を航空機のウイングレットのように曲げて風圧を向上させるほか、GPUの温度が低いときにはファン自動停止する「ウイングブレードゼロノイズファン」を搭載。ファンの動作音自体を抑えつつ、負荷の軽いゲームではファンを完全に停止させて無音で動作させることができる。他のSTRIX GTX 9xxシリーズ製品と違いバックプレートこそ搭載していないものの、基板のたわみを抑える金属バーはしっかりと搭載されており、ヒートシンクを含むグラフィックスカードをしっかりと支えてくれるだろう。

ウイングブレードゼロノイズファンを搭載したGPUクーラー。フクロウ属の眼を思わせるデザインが施されている

他のSTRIX GTX 9xxシリーズ製品のようなバックプレートこそ搭載していないが、金属のバーやPCI-ExpressのLEDは確認できる

PCI-Express用補助電源は6ピン×1。上側から見ると、金属のバーやヒートパイプ、STRIXロゴもしっかり確認できる

GPUクーラーを取り外すと、GTX 950のコアを載せた基板がお目見えする。ASUSでは基板への部品取り付けのオートメーション化を進めており、本モデルでは完全化を実現。その結果がこの配線の目立たないすべすべとした基板だ。部品にはASUSだけが使用するカスタムパーツ「Super Alloy Power II」が使用されており、電源回路は5フェーズが搭載されている。GPUクーラーはダイレクトタッチ方式を採用し、GPUの発熱を2本のヒートパイプに直接伝導させ、ヒートシンクに熱を移動させる仕組みだ。

GPUクーラーを取り外したグラフィックスカードの様子。中央にGTX 950のコア、周囲にSamsung製のGDDR5が確認できる

電源回路は5フェーズ。構成部品にはASUS独自のカスタムパーツ「Super Alloy Power II」が使用されている

ヒートパイプが直接GPUコアに触れるダイレクトタッチ方式を採用。2本のヒートパイプがGPUの熱をヒートシンクに素早く移動させる

ウイングブレードゼロノイズファンを取り外し、裏返したところ。裏から見ると、曲げられたファンのエッジがよくわかる