――淳平さんは基本的に自宅作業ですか?
上松「そうなんですよ。淳平と藤間は自分のところにスタジオを作っていて、レコーディングがあるときだけここのスタジオを使うといった感じですね。それじゃあ、淳平の音楽的なイメージはどんな感じ? オールマイティ?」
母里「そうですねえ……。うまく言葉にできないです」
上松「言葉にできない? じゃあ、淳平と藤間、どっちが嫌いじゃない?」
母里「両方嫌いじゃないですよ(笑)。お2人ともすごいと思います」
――すごいことをさらっと聞きますね……。それでは、母里さんから見た普段の上松さんはいかがですか?
母里「普段の上松さんですか? 普段の上松さんはスラっとしていて……」
上松「スラっとしている? そんなことはないだろう」
母里「すごくおしゃれな人だと思います」
上松「本当に思っているの? いつも叱っているじゃん、俺」
母里「いつも怒られていますね」
――どういったことで怒られるのですか?
母里「基本的なことができていなくて怒られます。社会人としても、基本的な仕事についても。本当にいろいろと怒られています(笑)」
上松「彼は一人で上京してきたのですが、東京は初めてだし、一人暮らしも初めてなわけですよ。もうすべてが初めてのことばかりの中、1年半の間、曲を作るところしか見ていない。たぶんプライベートなんてほとんどないまま、仕事ばかりやっているんだと思うんですね。なので、仲間内で言うべきことはちゃんと言ってあげないといけないんですよ。でも僕からみると、すごく伸びが早いと思います」
――中山さんの伸びとはどちらが早いですか?
上松「僕はある意味親バカなので、うちのメンバーはひとりひとりがみんな天才だと思っているんですよ。中山も天才だと思うし、それとはちがった雰囲気ですが、母里君からも同じような才能の匂いはプンプンしますね」
――ちなみに、母里さんからみると、上松さんは師匠ですか、先生ですか? それとも社長ですか?
母里「社長はもちろんですが、師匠でもありますね」
――曲作りやアレンジについて、上松さんが直接教えるようなことはありますか?
上松「どちらかというと遠まわしな方法で教えていますね。たとえばレコーディングのときに、譜面を書かせたりするんですけど、譜面を書くということで、レコーディングに参加する練習になったりもするんですよ。ちょっと遠まわしな方法でやらせてみて、気がついたら自分の身になっていて、作曲もレコーディングも自分ひとりでできるようになっている。そんな感じになればいいなと思っているんですよ。それが伝わっているかどうかはわかりませんが(笑)」