RHA「TrueControl ANC」
英国スコットランドの“音楽の都”グラスゴーに本拠を構えるオーディオブランド、RHA。2020年末に登場した、同ブランド初のNC完全ワイヤレス「TrueControl ANC」(実売約33,830円)は、フィードバック方式のアクティブNCと、耳の中にピッタリフィットするパッシブNCの合わせ技によって、NC常時ONでも自然なサウンドを追求しています。
専用アプリにはNCや外音取り込みのモード切り替えのほか、イヤホン本体のタッチセンサーの機能割当カスタム、イコライザー設定、耳からの着脱をセンサーで検出すると自動で音楽を一時停止/再生する「装着検出」機能のオン/オフを切り替えるといった設定項目があり、必要十分な機能が備わっている印象です。
全体の傾向としては、ニュートラルなバランスの良さが耳に心地よく、NCやアンビエントモードをオン/オフしても、音質が明確に変化するようなことがないので安心してNCを併用できます。より強い騒音低減を求めるならイヤーピースを付属のフォームタイプに付け替える必要があります。なお、外音を取り込むアンビエントモードはアプリで取り込むレベルを調節できます。
連続再生時間は5時間(NCオン時)。ワイヤレス充電対応のケースと組み合わせると最大20時間再生できます。Androidスマートフォンに 近づけるだけでペアリングできる「Google Fast Pair」に対応しており、初回の接続設定はかんたんに済みます。
ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」
音質に強いこだわりをもつゼンハイザーから登場した「MOMENTUM True Wireless 2」。独自開発の7mm径ダイナミック型ドライバーを搭載し、外側のフィードフォワード方式のNCと、イヤホン自体の形状を耳穴にフィットさせて遮音するパッシブなNC効果を組み合わせることで静けさと高音質の両立を目指しています。
業務用マイクなどプロフェッショナル機材でも知られるゼンハイザー。MOMENTUM True Wireless 2の発表時には「ノイキャンは強ければ良いというものではない」というメッセージを掲げ、徹底して音楽の質にこだわった設計を採用しています。それもあって、不要な外の音を抑え込むNC効果はかなり高いレベルでありながら、一般的なNC搭載イヤホンで起きやすい、音質へのNCによる悪影響はほぼ感じられません。外音取り込みはわずかに「マイクを通して聞いている」感じはするものの、ごく自然なレベルです。
専用アプリにはイヤホン本体のタッチセンサーの機能割当カスタム、イコライザー設定、イヤホンの着脱で音楽を一時停止・自動再生する「スマートポーズ」のオン/オフ切り替えといった設定項目があります。
さらに、「音場が広くなる」、「音の定位がつかみやすくなる」というHigh-End Sound Tuningモードがアップデートで加わっており、音楽だけでなく動画などの音声もより臨場感豊かに楽しめるようになりました。イヤホンのファームウェアバージョン「4.13.0」以降と最新版の「Smart Control」アプリが必要で、従来のOriginal Modeも利用できるので、好みに合わせてサウンドのキャラクターを選べます。
連続再生時間はイヤホン単体で最大7時間、充電ケースと組み合わせると最大28時間。実売価格は約37,400円と、今回のラインナップの中では最も高価な製品ですが、完全ワイヤレスイヤホンでも音質に妥協したくない向きには、実際に試聴してその実力を確かめて欲しい製品です。