Apple「AirPods Pro」

街中で見かけない日はないくらい、多くの人が身につけているAppleのヒット作「AirPods Pro」。IDC Japanの調査ではアップルが国内市場のスマホ出荷台数のシェア52.6%でトップの座を占めるなど、iPhoneの人気の高さがうかがえますが、やはりスマホがiPhoneならイヤホンもAirPodsシリーズでそろえたい、ということなのでしょう。

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    AirPods Pro。黒い部分の奥にマイクが内蔵されている

外側と内側の不要な音を低減するハイブリッドタイプのNC機能を装備。オンにすると周囲の余計な音をグッと下げ、エアコンをはじめさまざまな機器から聞こえる騒音や、屋外で車のタイヤが発するロードノイズなどが控えめになり、音楽が聞きやすくなります。総じて音のバランスは良く、NCなしでは外の音でかき消されてしまいがちな高域や低域も聞き取れます。また、外音取り込みをオンにしたときは、小さな内蔵マイクを通しているとは思えないほど自然な音質を実現。基本性能の高さを実感します。

初回のペアリング作業はiOSと連携し、iPhoneの画面でアニメ表示しながらかんたんに進められるようになっているなど、Apple製デバイスとのシームレスな連携機能が作り込まれているのも注目。イヤホンのために新たにアプリを追加したり、連携させる手間がかからない点はAppleならではの強みと言えます。また、対応するコンテンツで立体的なサラウンド音声が楽しめる「空間オーディオ」に対応するなど、ソフトウェア更新でさまざまな機能が強化されているところにも注目です。なお、Appleが推奨する使い方ではありませんが、通常のBluetoothイヤホンとして使うだけなら、Androidスマホともペアリング可能です。

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    AirPods Proのペアリング時の画面。イヤホンの充電ケースのボタンを長押しすると、手元のiPhoneでペアリング設定アニメが表示される

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    iPhoneのBluetooth設定画面からAirPods Proの設定をチェック。イヤホンの左右のステム(スティック状の部位)だけでなく、iPhoneの画面からもNCや外音取り込みを切り替えられる。左右ステムの操作割り当ては変更可能だ

付属のイヤーピースが耳に合わなくても、Spinfit(スピンフィット)やSednaEarfit XELASTEC(セドナイヤーフィット・セラステック)、COMPLY(コンプライ)といったサードパーティ製のイヤーピースが市販されており、付属品から付け替えてフィット感を高められます。防水性能はIPX4。連続再生時間は最大4.5時間で、NC/外音取り込みをオフにした場合は最大5時間。ワイヤレス充電対応のケースと組み合わせて24時間以上使えます。

3万円少々(2021年4月上旬)という高価な製品ではありますが、長く人気を集めているのもうなずける仕上がり。そろそろリニューアルされた新製品が登場するのでは? というウワサも聞こえてきていますが、AirPods Proの高い基本性能がどのように進化するか、気になるところです。

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    SpinFit CP1025を装着したAirPods Pro

オーディオテクニカ「ATH-ANC300TW」

2019年に発売されたソニー「WF-1000XM3」やApple「AirPods Pro」に続き、比較的早いタイミングでNC完全ワイヤレスの市場投入を明らかにしていたオーディオテクニカ。2020年1月に米国で開催されたCES 2020において、同社初となるNC完全ワイヤレス「ATH-ANC300TW」を披露し、国内では同年5月に発売されました。

NCを搭載した「QuietPoint」シリーズの主力製品と位置づけられており、発売当初の想定売価は約25,000円(税別)でしたが、ネット上では実売2万円を切るところもあり、買いやすくなってきた感があります。

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    ATH-ANC300TW

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    イヤホン本体は、指でつまむとすこし大ぶりなサイズ感

フィードフォワード方式とフィードバック方式のハイブリッドNCで自然で疲れにくい騒音低減を追求。NCの強さは専用アプリで選べるようになっており、飛行機の中、屋外向け、屋内向けという3つのモードが利用可能。外音取り込みはLow/Mid/Highの3段階が選べて、イヤホンを使うシチュエーションにあわせてカスタマイズできるようになっています。音の傾向は、ニュートラルでさまざまな音楽をていねいに鳴らしていくサウンドで、万人受けしそうな印象です。

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    専用アプリ「Audio-Technica|Connect」のホーム画面

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    NCと外音取り込み、オフのいずれかが選べる

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    NCは飛行機の中、屋外向け、屋内向けの3つのモードが利用できる

落ち着いた上質なデザインも目を惹き、大人向けの逸品といえそうです。4サイズのイヤピースと、コンプライのフォームイヤピースを付け替えられ、装着性も問題なし。連続再生時間は最大約4.5時間、充電ケースを併用すると最大18時間再生できます。

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    左右イヤホンの物理ボタンに割り当てられた設定は、パターンA/Bで左右の入れ替えが可能