NUARL「N10 Pro」

「ナチュラルな心地」「ニュートラルな存在」にこだわり、ポータブルオーディオマニアの間で知名度の高いNUARLブランドから2020年に登場した「N10 Pro」。NCや音質だけでなく、専用アプリが使いやすいところも特徴的な完全ワイヤレスです。実売価格は約21,450円。

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    N10 Pro

フィードフォワード/フィードバック式のハイブリッドタイプのNC機能や、イヤホンを耳にはめたまま周囲の音が聞ける外音取込み機能を装備。NCは「音質優先」、「バランス」、「ANC優先」の3つのモードがあり、使うシチュエーションにあわせて選べるようになっています。ホワイトノイズが若干乗る傾向がありますが、付属のイヤーピースで耳にしっかり装着すると周りの騒音がほどよく抑えられます。

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    専用アプリ「NUARL N10 Connect」のホーム画面。NCの効き具合は「音質優先」、「バランス」、「ANC優先」の3つから選べる

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    外音取り込みは、音楽を聞きながら外の音も確認できる「標準」、「音量小」と、音楽を止める「一時停止」の3種類から選べる

専用アプリは、縦長の1画面のみですべての設定が完結するようデザインされているのが特徴で、ユーザビリティに優れている印象。画面の切り替えがほぼないので「あの設定どこだっけ……」と迷わず使え、アプリの使い方を覚えていなくても、すぐに目当ての設定を探せます。

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    専用アプリ「NUARL N10 Connect」の画面全体(中央)。1画面ですべての設定が行えるのが特徴

また、物理ボタンが片側イヤホンに2つ(メイン・サブ)ずつ、計4つ備わっているので、スマホの画面を見ずに音楽再生/停止/曲送り/曲戻しや音量調整、NCや外音取り込みといった操作も簡単です。NCオン時の連続再生時間は、イヤホン単体では最大5時間。充電ケースと組み合わせると最大30時間使えます。

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    イヤホン本体に2つ(メイン・サブ)の物理ボタンを装備。サイズはやや大きめ。付属のイヤーフックで耳にフィットする

独自の10mm径ダイナミック型ドライバー「NUARL DRIVER [N10]v3」や、自然な音の広がりを再現するHDSS技術を採用しており、NCオフ時にはバランスの良いサウンドが目の前に広がる感じ。NC効果が強くなると分かりやすく音が変化しますが、たとえばスポーツジムなどで身体を動かしつつ音楽にも浸りたい……といった用途ではさほど気にならなさそう。アプリのイコライザー機能を使って自分好みの音にカスタムすることもできます。

なお、2020年12月までに製造されたN10 Proの一部で、音途切れが頻発するという不具合が確認されていますが、NUARLブランドを展開するエム・ティ・アイが製品の無償交換プログラムを実施中。2021年1月以降に製造された製品については同様の問題は起きていないということです。

パナソニック「RZ-S50W」/テクニクス「EAH-AZ70W」

パナソニックは、テクニクスとパナソニックの両ブランドからNC完全ワイヤレスイヤホンを発売しています。パナソニックからは「RZ-S50W」、音質にこだわりを持つテクニクスからは「EAH-AZ70W」という型番で登場しており、前者は実売約16,500円、後者は実売約27,000円。

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    RZ-S50W

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    EAH-AZ70W

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    パナソニック「Panasonic Audio Connect」アプリでRZ-S50Wのステータスを表示したところ

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    「Technics Audio Connect」アプリでEAH-AZ70Wのステータスを表示したところ

どちらも「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」技術を搭載しているのが特徴で、外側のフィードフォワードNCでは精密な処理が可能なデジタル制御、内側のフィードバックNCには処理の遅延が少ないアナログ制御を組み合わせることで高精度なノイズ低減処理を行います。決して強いNCではありませんが、電車に乗っているときに気になる外の音はきっちり抑え込んでおり、聞いている音楽にNCが影響して違和感を覚えることもありません。イヤホンを耳につけたまま外の音を聞くことも可能。NCと外音取り込みのレベルは専用アプリから100段階で細かく調整できます。

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    アプリからNCの効き具合を100段階で調整可能

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    外音取り込みのレベルもアプリから100段階で調節できる

テクニクスのEAH-AZ70Wは10mm径ダイナミック型ドライバーユニットを搭載し、内部の音響構造も工夫することでヌケの良い自然なサウンドを実現。一方、パナソニックのRZ-S50Wには8mm径ダイナミック型ドライバーユニットを備え、クリアな中高域と豊かな低域が心地良いサウンドにチューニングされています。

アプリでは低音を強化する「バスエンハンサー」や、イコライザーによる音のカスタマイズ、バッテリー残量確認、イヤホン本体のタッチセンサーの機能割当カスタム、紛失時の探索機能、イヤホンのLED点滅オン/オフなどを設定可能。各ブランドごとにユーザーインタフェースのカラーが異なりますが、アプリでできることはほぼ同じです。

接続性安定のために、パナソニックがデジタルコードレス電話機で培った開発ノウハウを応用。MEMSマイクやビームフォーミング技術によって、2つの通話用マイクで送話の音声をクリアにしつつ、風切り音も減らす構造を採用するなど、通話品質にもこだわっています。イヤホン本体のソフトウェアやアプリも都度アップデートされ、使い勝手が向上しています。

NCオン時の連続再生時間はどちらも約6.5時間で、NCオフ時は約7.5時間。付属の充電ケースと組み合わせると、NCオン時は約19.5時間、NCオフ時は約22.5時間音楽を聴けます。