僕たちが楽んでいないといけないし、僕たちが楽しめる何かで一緒に楽しんでもらうことを考えたい

――今後エンターテイメントをビジネスとしてやっていく上で、今はどんなことを考えていますか。

渡辺:僕の中では、ダブルスタンダードで考えていて。それこそ「ハッピーに今までに戻るタイプ」と、所謂アフターコロナというよりは「withコロナとして生きていくタイプ」と、どちらも考えなきゃいけないだろうなと。本当は、withコロナじゃない状況で考えたいしそっちの方がハッピーなんですけど、1年後もライヴができないタイプというのも考えてますね。それに対して何をやろうかっていうと、うちの事務所はライヴを年間100本、200本やっているグループがほとんどなので、そういう意味ではマネタイズの部分に関しては新しいことを始めないとどうしようもないので、新しい試みの制作準備をしている状況です。僕が一番怖いのは、お客さんが離れて行ってしまうことなので、引き付けられる何かを作りたいです。それには僕たちが楽んでいないといけないし、僕たちが楽しめる何かで一緒に楽しんでもらうことを考えようと思っています。

  • 二人が考える"エンタメビジネスのこれから"とは

西澤:自分が会社を作って成し遂げないといけないなと思うのは、SWで生み出したヒットコンテンツを作らないといけないなということ。そういう意味で、StoryWriterというサイトを作ったときから連載をしている「嬢と私」というコンテンツがあるんです。アセロラ4000というキャバクラ好きな中年男性がいて。キャバクラでの出来事をツイッターで書き連ねていたんですけど、それがすごく面白かったので、お話を聞かせてくれませんかってアプローチしたら、「キャバクラをおごってくれたらいいですよ」って言うんですよ。会ったこともないのに(笑)。なんとなくおもしろそうだから、一緒にキャバクラに行ったら、こっちの話なんて聞かずにキャバクラを謳歌していて。ものすごく変わりものなんですけど、文学が好きで物語を書きたいと言うから、連載をしてほしいって伝えて。そしたら、嬢の誕生日にプレゼントするお金がないから身内に不幸があったという嘘をついたりする回が出てきたり、めちゃくちゃ面白くて。どこか滑稽なんだけど憎めない。なんとなく窮屈な世の中に、こういう人もいていいじゃんって、絶対に世に届けないといけないものだと思って2年近く連載してもらっています。Storywriterを発表の場として、最終的には本というフィジカルとしてヒットさせたいですね。

渡辺:アセロラ4000って、今ツイッターのフォロワー何人いるの?

西澤:今、200人ぐらいです……(苦笑)。本当は今年、全国のキャバクラを行脚してアセロラ4000を広めようと思ったんですけど、こういう状況になってしまったので……。

渡辺:今一番行きづらいじゃん(笑)。

西澤:そうなんですよ。でも、アセロラ4000さんは、奇跡的な嬢との再会があって、再び連載内容が加速しているので、いまは連載の内容をしっかり作りたいなと思っています。

――では、現在進行形で実施しているクラウドファンディングのプロジェクト「BiSHモモコグミカンパニーのエッセイ本完成までを一緒に楽しみながらお届けしたい」について、改めてひと言ずつお願いします。

  • クラウドファンディングのプロジェクト「BiSHモモコグミカンパニーのエッセイ本完成までを一緒に楽しみながらお届けしたい」

渡辺:本当に、コロナ禍の状況で生きづらい状況にはなっているんですけど、僕たちとしては最大限コンタクトできる形でできる方法を考えたいと思っています。ここから本の発売まであと4ヶ月間、在宅で楽しめるコンテンツにしていきますので、ちょっとでも興味があったら是非覗いてみてください。タダで見れるところもありますので。

西澤:今、メルマガを毎週水曜日のお昼に配信していて。それは、週の真ん中でみんなちょっと疲れて息が詰まってるかもしれないときにメルマガ が届いたら嬉しいかなと思ったからなんです。そういう配信時間もモモコグミカンパニーと一緒に考えて設定しています。単純にコンテンツを送るだけじゃなくて、ちゃんと血を感じながら温度感を持ちながらやっているプロジェクトにしたいと思ってやっているし、実際、一緒に本を作ってる感覚になれると思うので、是非参加してくれたら嬉しいです。