MacBook Proを7月に発表した際、AppleはeGPUによるシステムアップのデモを披露した。
Apple StoreではBlackMagicのeGPUの販売を開始し、デモでも、MacBook ProとeGPUとの組み合わせで、eGPUからMacBook Pro本体に電源を供給し、LG Ultra Fine 5Kディスプレイに映像を送って、「iMac 27インチモデル」のディスプレイとグラフィックス性能をMacBook Proで実現できるとアピールした。
これは、Thunderbolt 3ポートの搭載で、より手軽にグラフィックスやストレージ、ディスプレイを拡張して使えるようになったのを意味する。細かい話だが、MacBook ProのThunderbolt 3ポートは既存のモデルよりもかなり固くなり、重要な周辺機器が簡単に抜けないよう配慮されている。
そうしたThunderbolt 3を活用したシステムアップが前提となる中で、ディスプレイ非搭載のMac miniは存在感を増していくのではないか、とも考えられる。
iMacのようなオールインワンとは異なる、自由度の高いマシン構成の実現は、価格を抑えながらより多様なニーズに応えるMacという方向で展開する。Mac miniはそうした新しいMac活用の方法を切り拓くモデルとして期待される。
9月12日(米国時間)に予定されているスペシャルイベントに合わせてMacも登場するのか、2016年のように10月にあらためてMacに関する発表会を行うのか、現在のところはまだ不明だが、ノート、デスクトップ、いずれも、今年、Macのラインアップに変化がもたらされることは間違いないだろう。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura