Microsoftは8月に、10インチのタブレットPC、Surface Goをリリースした。Surfaceシリーズは、高いデザイン性とスペックの良さから人気を集めるタブレットPCで、2-in-1やデタッチャブルなど、MicrosoftがWindows PCの新しいスタイルを提案するアイテムとして注目を集めてきた。
そのSurfaceシリーズで最も価格が安く持ち運びやすいモデルとして登場したのが「Surface Go」だ。プロセッサにはIntel Pentium Goldを採用し、下位モデルにはSSDではなく64GBのeMMCを用いるなど、コストカットに挑み、399ドルからという価格を実現した。
9.7インチ第6世代iPad 32GBモデルが349ドル、10.5インチiPad Pro 64GBモデルが649ドルであることから考えても、Surface GoはiPadシリーズに対抗する製品と位置づけられよう。
Appleは9.7インチiPad Proを発表した際に、シニアバイスプレジデントのフィル・シラー氏は、「6億台とも言われる5年が経過したPC(当時)の買い替え需要」を喚起すべく投入する製品であると発言した。
しかしながらその後もしばらくiPadは低迷を続け、2017年3月に349ドルに価格を抑えた第5世代iPadを追加して、やっと回復基調とすることができたのだった。つまり、iPadはWindows PCの代替になるというイメージを、Appleは作り出せていないのだ。
では、Surface Goはどうか? 実際に使用してみると、Windows 10やアプリ群は、iOSと異なり、タッチ操作を前提とした設計にはなっていない。そのため、キーボードとトラックパッドを備える129ドルのType Coverが必須であり、399ドルの出費でWindows PCが利用できるとは言い難い仕様となっているのだ。
またパフォーマンスも、第6世代iPadに遠く及ばないベンチマークスコアしか出てこないため、決して安心して選べる製品とは言えない。しかし、Windows PCであることは、iPadに対抗する上で、大きなアドバンテージとなっていることもまた、Microsoftはよく分かっている。