そういった観点から、Appleがスマートホームの普及を急がないこと、また2018年2月に発売したスマートスピーカー「HomePod」において、Siriを強調しない点などを説明することはできる。
しかしながら、スマートスピーカー市場は堅調に推移している 。2017年第2四半期に390万台だった市場規模は、2018年第2四半期には1,170万台に拡大した。
その中で躍進したのはGoogleで、75%を超えていたAmazonのシェアを奪い、同市場で27.6%を占めるようになった。販売台数は323万台と前年同期比513%増となり、Amazonの成長率163%を大きく上回っている。
Appleはそうしたスマートスピーカー市場の中で、2018年第2四半期に5.9%のシェアを獲得し、69万台を販売したとみられている。AppleからはHomePodの販売台数や売上高に関する公式な数字はアナウンスされていないが、HomePodが含まれる「その他の製品」カテゴリは2018年第3四半期に37%成長している。
50ドル以下の小型スマートスピーカーが牽引している市場において349ドルの高音質スピーカーをアピールしている製品であることから、他のスマートスピーカーのトレンドから距離をおいた存在であると言ってよいだろう。
そんな中、Cook氏は、先の2018年第3四半期決算の電話会議で、HomePodの戦略に関する、AmazonやGoogleとの明確な違いについてコメントした。