iPhoneやiPad、Apple WatchおよびMacでより安全に決済できるApple Payの手数料も、サービス部門に計上される。
Apple PayはiPhoneやApple Watchにクレジットカードを登録することで、NFCリーダーが備え付けてある店頭で決済できる。2016年発売のiPhone 7、Apple Watch Series 2からは、日本のSuicaやiD、QUICPayをサポートした。またオンライン決済でもApple Payを利用できる。
Appleは2017年からiMessageを通じて簡単に個人間決済を行えるApple Pay Cashを米国内で提供開始した。Apple Pay Cashが便利なのは、受け取った金額を銀行口座に送金しなくても、Apple Payに対応する店舗で利用できるところだ。Apple Pay Cash自体には手数料はかからないが、銀行に送金せず店頭で使うと、決済手数料がAppleに入る仕組みになっている。
Apple Payに関する具体的な決済数については言及しなかったが、Tim Cook氏は「Apple Payの決済数はSquareよりも多い」とコメントした。
Squareの決済数も明らかになっていないが、ユーザー数(加盟店数)は700万件に上り、四半期の決済額は合計179億ドルで、年間30%以上の成長基調を続けている。またSquareが用意したBluetooth接続のEMV(ICチップ)・NFCリーダーは、小規模店舗でのApple Pay対応の唯一の手段となっており、Appleにとって重要なパートナーと見ることもできる。Tim Cook氏が「Squareは素晴らしい会社」とフォローしたのもその理由からだ。
Apple Payに関しては、米国のセブンイレブンや、ドラッグストアチェーンであるCVS Pharmacyでも、この秋から利用できるようになることが告げられた。なかでもCVSのApple Pay対応は重要な意味を持つ。
CVSの店舗には既に、NFCに対応するリーダーがレジに設置されてきた。同社は独自のモバイル決済「CSV Pay」を導入しようとしてきた。その理由は、モバイル決済に付加価値を与えようとしたのと同時に、米国におけるNFC搭載スマートフォンの最大勢力の1つであるAppleが、iPhoneのNFCチップをアプリ開発者(ここではCVSなどのチェーン)に完全に開放してこなかったことにある。
CVSの競合となるドラッグストアチェーン、WalgreensはApple Payのサービス開始時から対応しており、ポイントカードとも連携できる機構を組み込んでいた。CVSは決済部分をコントロールしようとしていたのだが、Appleに阻まれ、店頭での体験で競合から遅れを取ってしまったのだ。結果的にCVSは、自社主導のモバイル決済サービスの提供を断念し、Apple Payをサポートすることを決めた。
WalmartやTargetなど、大規模小売チェーンでも、独自のモバイル決済サービスの提供を目指しているが、CVSが諦めてApple Payをサポートしたことは、今後米国における小売チェーンのApple Pay対応に影響を及ぼすことになるだろう。