Appleはサービス部門をビジネスの新たな指標に据えていこうとしている。もちろん全体の売上高は依然としてiPhoneが50~70%を占めているが、成長ということで言うと、それはiPhone Xなどの販売価格の上昇によって支えれらてきたという背景がある。スマートフォン市場は現在、買い換え、乗り換えの需要によって販売台数を維持することが目標となっているが、大幅な販売台数の成長を見込むことは難しくなっている。

そうした中で、Appleは「iPhoneのアクティブインストールベース」という指標を持ち出すようになった。具体的な数字は過去に10億人を突破したというアナウンスがなされて以来明らかになっていないが、前年同期比で2桁(10%以上)の成長を遂げているとTim Cook CEOは決算発表の電話会議で述べた。

「我々にとって非常に重要なiPhoneのインストールベースは、サービス部門を牽引するカギの1つ」という点をCook氏は強調しており、サービス部門の成長は、iPhoneのユーザーベースの拡大によるものだと認識している様子だ。

もちろん既存のiPhoneユーザーがアプリの購買やサブスクリプションサービスを利用するよう誘導していくことは重要だが、それだけでなく、AndroidユーザーをAppleのエコシステムに引き込むことが、新規のインストールベースを拡大させるのに最も有効な策となるだろう。

Appleは「最良の製品とサービス」を提供していくこと以外に明確な戦略について述べていないが、iPhoneのブランド、アプリの安全性(すなわちプライバシーやセキュリティ)、スマホ中毒対策、iPhoneで先に先進的なアプリが利用できる点などをアピールしながら、Androidユーザーにスイッチさせるプロモーション戦略を強化していくことになるはずだ。