iPhone付属のスタンダードなイヤホン「EarPods」のワイヤレス版として登場したのが「AirPods」だ。
EarPodsはハイエンドのイヤホンではないが、年間2億台以上出荷されるiPhoneに付属するということもあって、出回る数は非常に大きなものとなる。単純にiPhoneと同じ数だけ、出荷されるのだから。年間3億5,000万台前後で推移する世界のヘッドフォン市場において、一大勢力になっていると言って過言ではないだろう。
そのEarPodsの基本デザインをそのままに、ケーブルを取り去ってワイヤレス化したのがAirPodsだ。AirPodsでは、ノイズを除去する2つのマイクとモーションセンサーを備え、指でタップすることで再生やSiriへの指示を行える。
Bluetoothイヤホンで問題となっていたバッテリー持続時間と接続の面倒さも、Appleが設計するW1チップを搭載したことで解消された。iPhoneと組み合わせるワイヤレスイヤホンとしては、発表から間もなく2年が経過しようとしているが、依然として根強い支持を誇っている。
HomePodがややもすれば残念な展開となっている中、「AirPods」の健闘は続く。発売当初は製造台数が需要に追いつかず、品薄状態が慢性的となっていたが、状況も落ち着き、その後も堅調にユーザー数をのばしている。
Appleは2018年第2四半期決算で、AirPodsとApple Watchをまとめた「ウェアラブル」デバイスについて、Fortune 300企業レベルの売上高、すなわち、年間100億ドル規模に到達したと発表した。この売上規模は、富士フイルムとの提携が白紙となったXerox、iPhoneのガラスを供給するCorning、クラウドCRM企業のSalesforce.com、オンライン旅行会社大手であるExpedia、グラフィックスチップのNvidiaなどと同等だ。