本連載でもご紹介した通り、HomePodはスマートスピーカー市場において2018年第1四半期に60万台を販売した。が、その数字が好調であるかどうかは判断がつきかねる。そのシェアは5%前後に留まっているからだ。
これまで市場を支配してきたAmazonや、成長率大で存在感を示すようになったGoogleは、1台50ドル前後の小型のスマートスピーカーを投入し、家庭で1部屋1台を目指して様々なセールを含むプロモーションに力を入れている。
HomePodは349ドルでまだ米国、英国、豪州と欧州の一部の国でしか発売されておらず、また人工知能アシスタント「Alexa」や「Googleアシスタント」と比較し、Appleの「Siri」の性能が劣っているという評価が払拭できていない。その一方で、音楽スピーカーの性能としての評価は高く、1台、もしくは2台を組み合わせたリスニング環境の構築では、スマートスピーカーと言うよりオーディオ製品としての実力を発揮する。その機能性を鑑みると価格感は「さほど高くない」という評価となる。
しかしながら、オーディオ製品として検討してもHomePodには先行する強力なライバルが存在する。Appleと同じ音楽スピーカーとしての性能をアピールするSONOSの製品群だ。SONOSは過日、米国NASDAQ市場へ上場を申請した。SONOSは早くからWi-Fi対応のスピーカー製品を揃え、SpotifyやApple Musicといった80以上のサービスをサポートし、ストリーミング音楽時代の高品質スピーカーとしてブランドイメージを作り上げてきた。年間の売上高は間もなく10億ドルに届き、赤字体質から2018年には脱却するとみられる。
機能面で比べると、残念ながらHomePodはSONOS製品にも劣っており、現状、あらゆる面でテコ入れが必須であると思われる。