――涼平さんは2017年に『超スーパーヒーロー大戦』で北岡秀一を、萩野さんはTTFC(東映特撮ファンクラブ)のスピンオフ作品『仮面ライダーブレイブ』で浅倉威をふたたび演じられましたが、そのときのお話をお聞かせください。萩野さんは『ブレイブ』の冒頭シーンで、なんと『シャンゼリオン』の名セリフ「サバじゃねえ!」を言うイキなファンサービスがありました。
萩野:「サバじゃねえ……!」って言いましたね(笑)。過去の悪役ライダーが勢ぞろいするなど、基本的にはお祭りみたいな部分があるでしょう『龍騎』の放送終了から15年ぶりに浅倉として出るっていう部分と共に、かつての『シャンゼリオン』を知っている人にも楽しめるように、という思いがあったんじゃないでしょうか。でも、まさかそのセリフをしゃべるきっかけになったのが、女の子が買い物していた生のイナダだったのには面食らいました。魚を生でかじってください、と言われたのですが、ウロコが硬くて噛みきれないんです(笑)。せめて切れ目を入れてほしいってお願いしました。
小田井:何年たっても、噛みきれないものを食べさせられるのは変わりないんですね(笑)。
萩野:せめて、塩くらい振って……とお願いしたかった(笑)。
――当時の浅倉とイメージを合わせるために、髪をふたたび染められた、というエピソードもあって、萩野さんの浅倉への愛着の程がうかがえます。
萩野:最初は長髪のウイッグを用意してもらったんだけど、それを被るとなんか売れないロッカーというか(笑)。浅倉のイメージにならないんですよ。そこで鈴村(展弘)監督から「萩野ちゃんゴメン、髪が痛むのはわかるんだけど、ここは染めてくれないか」と頼まれて、そりゃそうだよな、って感じで、また金髪にしたんです。
――涼平さんは「超スーパーヒーロー大戦」ではゲーム世界のゾルダという設定で、他のスーパーヒーローとチームを組んで対戦していましたね。
小田井:あの映画こそ「お祭り」みたいなものでしたよ。ゾルダだけでなく、歴代仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズからいろんなヒーローが集まっていましたからね。やっていて、これホンマにお祭りやなって思いました。僕が出た北岡は、あくまでゲームのキャラクターであって、本物の北岡じゃないんです。だから演じるにあたって、複雑な思いはあるんですけれど。でもまあ、主演(仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢)をやっていた飯島(寛騎)くんが『龍騎』を子どものころ大好きで観ていたって現場で聞きまして「ああ、あのときテレビを観ていた子が、大人になってライダーを演じる時代になったんだなあ」って、感動したんです。
萩野:仮面ライダーブレイブ(鏡飛彩)の瀬戸(利樹)くんからも、現場で熱く語ってくださって、素直にうれしく思いました。今も舞台とかやっていると、若い俳優さんからよく『龍騎』を夢中で観ていたって言われます。
小田井:ちょうど今、『龍騎』を子どものころ観ていた世代の人が僕たちと同じステージにどんどん上がってきているんですね。それだけの月日がたったんだなあと実感すると共に、すばらしい作品に出演できたことを改めてうれしく思っています。