その1つの切り口は、コミュニケーションだ。
Apple Watchでは、Appleが用意するiMessageや通話、FaceTimeオーディオといったコミュニケーションツールの他に、MessengerやLINEなどのサードパーティーアプリも利用でき、音声認識での文字入力を駆使すれば、iPhoneで行っている大半のコミュニケーションを手首だけで済まられるようになる。
これらに加えて、新たにwatchOS 5に取り込んだのが「Walkie-Talkie」、つまりトランシーバー機能だ。
以前欧米や日本の携帯電話には以前「PTT」(Push to Talk)というトランシーバーの代わりに使えるような機能が用意されていた。日本ではキャリア間の乗り入れができず、また都度料金がかかるため定着しなかったが、原理はトランシーバーやPTTと同じだ。
Walkie-Talkieは、音声通話よりも親しい間柄で利用するコミュニケーションツールと位置づけられている。ボタンを押している間だけ喋った声が相手に伝わる。手首で気軽に会話を楽しめ、またデータを利用するため都度の電話料金もかからない仕組みだ。
他のアプリと異なり、手首に直接割り込んでくる仕組みだ。あらかじめ許可した相手からのWalkie-Talkieは、そのまますぐに届く仕組みとなっており、より手軽にコミュニケーションを交わせる。AirPodsなどのBluetoothイヤホン/ヘッドホンを装着していれば、耳元にすぐに声が届くようになる。
この機能追加は、Apple Watchをコミュニケーションツールとして再認識させることにつながる。Walkie-Talkie自体が流行らなかったとしても、サードパーティーアプリが、Apple Watchをターゲットとしたより手軽なコミュニケーション手段を用意するようになるかもしれない。