このように便利なスマホ用スタビライザーですが、日本では中国DJIの「Osmo Mobile」シリーズが有名です。ドローン(マルチコプター)の先端に装着するカメラのぶれや揺れを抑制するためのジンバルで培った技術を利用し、スマホ用のスタビライザーとして製品化したものです。主要な家電量販店で実機が展示されており、実際に使用感を試せることが好まれ、このジャンルでは代表的な存在となっています。
2016年9月に登場したOsmo Mobileがロングヒットを続けていましたが、この冬に後継のOsmo Mobile 2が登場。正式販売はこの3月から始まりますが、アップルストアなどの一部店舗では先行して販売が始まっており、手ごろな価格から早くも注目が集まっています。
Osmo Mobile 2の基本的なスタイルは、旧Osmo Mobileを継承しています。しっかりと握れる太めのグリップの上にはスマホを固定する器具が備わり、そこに搭載されているジンバルでスマホに伝わる揺れを抑制する仕組みです。ジンバルはチルト(垂直、上下方向)、パン(水平、左右方向)、ロール(回転方向)の3軸の補正が可能なので、より安定した映像が撮影できるわけです。
旧Osmo Mobileと比べて改良されたのが、縦位置での撮影に対応したことです。旧Osmo Mobileは、スマホを横向きにしか搭載できない構造で、縦長の動画を撮るには腕を不自然に曲げなければなりませんでした。しかし、Osmo Mobile 2はスマホを取り付ける器具を90度回転できる機構が新たに備わり、縦長動画もらくらく撮れるようになりました。
断然よくなったのがバッテリーの持ちです。旧Osmo Mobileのバッテリー容量は980mAhなのに対し、Osmo Mobile 2は2600mAhと大容量になり、1回の充電で約15時間も使えるようになりました。Osmo Mobile2はバッテリーが固定式となり、ユーザーが自由に交換できなくなりましたが、そのデメリットはまったく気にならないといえます。
充電方法も改善されました。旧Osmo MobileはUSB経由で充電できたものの、特殊なケーブルを使う必要があるのが欠点でした。しかし、Osmo Mobile 2は本体にmicroUSB端子が搭載され、手持ちのケーブルで簡単に充電できるようになりました。
ユニークな改良点としては、背面に電源供給用のUSB端子が設けられ、Osmo Mobile 2自体をモバイルバッテリーとして使えるようになったことです。Osmo Mobile 2に装着したスマホにケーブルを接続すれば、スマホのバッテリーの減りを気にせずに済むというわけです。しかし、スマホの接続端子の位置によってはケーブルを接続できない場合もあるので、あくまでオマケ的な機能と考えておきましょう。