2017年は「iPhone」が登場して10周年を記念する年であったことは記憶に新しいが、2018年は「MacBook Air」が登場してから10周年である。2008年1月15日、サンフランシスコでSteve Jobsによって発表されたMac市場最も薄いノート型コンピュータは、Appleにとって非常に重要な価値をもたらした。
筆者はMacBook Airが発売されると、すぐに黒い「MacBook」から乗り換えた。重さは900g軽くなり、また厚みも大幅に減って、非常に軽快に持ち歩くことができる「メインマシン」として愛用してきた。
Macのノート型モデルはそれまで、いわば「iMac」の小型版のようなイメージだった。あらゆるポートや光学式ドライブが搭載され、ノート型ながらオールインワンのデスクトップさながらの使い勝手を実現するマシンという存在であった。
しかしAppleは、初代MacBook Airで光学式ドライブを排除し、USBポートも1つを残すのみという仕様にした。外部ディスプレイ接続にも専用のコネクタを必要としており、もし光学ドライブが必要であれば、外付けドライブを購入するか、自宅やオフィスにあるデスクトップマシンのディスクにネットワーク経由でアクセスする必要があった。
そうした割り切りと引き換えに、スリムなボディでモバイル性を追究しつつ、しかし窮屈ではないフルサイズのキーボードを用意してタイピングの心地よさも確保する。そんなマシンがMacBook Airだった。
その後筆者はデスクトップを持たないという選択をして、2012年モデルの「MacBook Pro 15インチ」、2016年モデルの「MacBook Pro 13インチ」をそれぞれメインマシンとして活用してきたが、MacBook Airの経験があったことが、コンピュータのモバイル化、小型化のメリットを認識することができた、とふりかえることができる。