さてこれに続く7nm世代だが、原状ではまだDevelopmentの最中で、出荷予定時期なども含めて一切明らかになっていない。恐らくはEUVを使う最初の世代になるはずであるが、ステッパーの性能を含めてまだ不明な点が多すぎる。
逆説的だが、7nmが2020年頃までに安定して量産できる状況になっていないと、2021年に改定版のAuroraをALCFに納入できなくなる。したがって現在は、7nmのプロセス開発と並行して生産設備の立ち上げを(10nmの改良などと並行して)行っている最中と考えられる。
工場そのものは14nm用に建設しつつも、建屋が完成した時点で中断状態となったアリゾナのFab 42を当てることを2017年2月に発表しており、いまは製造装置を集めてラインの準備を整えているものと思われる。
最後が22nmに関する話である。Intel自身はもはやプロセッサの量産に22nmを利用していないので、これはあくまでFoundry向けとなるが、実はIntelが現在もっとも力をいれているのがこの22nmを利用した22FFL(FinFET Low power)である。
これはTSMCなどの28nmをターゲットにおいた製品(Photo16)で、主要な特徴はPhoto17~20に示す通り、既存の22nmをLow Power向けに振ることで、省電力性を高めたものである。22nmは安定して広く量産されており、14/10nmに比べると製造難易度が低いことも業界に知られている。競合(主にTSMCの28nm)と比べるとコスト競争力があるというわけだ。
こちらについても新たに22FFL+と、FFL NextGenがそれぞれ用意される(Photo21)。22FFL+の方は、CPPそのものは22FFLそのものと互換で、6T Libraryや3電源、配線層の追加などが行われたもので、一方FFL Next Genの方はCPPから見直しが入る模様だ。
この22FFLは2018年第1四半期中にRisk Production開始、22FFL+は2018年第4四半期に、FFL Next Genは2019年第4四半期にそれぞれRisk Production開始の予定になっている。PC向け用途としては、チップセットとかLAN/WANコントローラ、SSDのコントローラなどがメインで、CPUやGPUなどに使われるとは思えないので、直接関係無い話ではあるのだが。