高橋:磯村くんは『アラン英雄伝』をやって、どうだった? 『仮面ライダー』シリーズの役者さんは、あまり先のことまで教えてもらえないものなんだけど、磯村くんはこれをやったことで、最終回の、その先のことまで知ってしまった。珍しいケースですよ。

磯村:正直、『アラン英雄伝』をやったことによって、その後のテレビ本編がやりやすくなりました。先が見えている分、どういう風に役を作ればいいかブレずに、線が一本見えているという感覚がありました。

高橋:テレビ本編と合わせても、フミ婆が亡くなったり、お兄ちゃん(アデル)がおかしくなったり、アランはたいへんだったね、と労ってあげたい。

上堀内:今だから言えるけど、アランは過酷な人生でね……。撮りながら、あまりアランをいじめないでほしいと思っていました。

高橋:第一章で「何も知らないボンボンが」という西園寺の言葉がありましたけれど、何も知らないからこそ、アランは純粋でいいんですよ。

上堀内:何も知らない青年が、人間界でいろんなことを知って成長していく。あの姿にキュンとときめいてもらえたら、いいですよね。「勇斗~!」って(笑)。

高橋:アラン~! じゃないのか(笑)。

上堀内:ええ。いち磯村ファンとして!

磯村:何も知らない状態からスタートして、台本ができあがるごとにアランとはこういうやつなんだと情報を加えていただけた。最初からいろいろ設定があるより、そっちのほうがよかったと思いましたね。初めは不安でしたが、どんどんやるにつれて装備が増えていくほうが、自分自身も成長できたと思いましたし。アランという役をいただいて、よかったと思っています。