今回の「LAVIE Hybrid ZERO」は、これまでのモノづくりとは一線を画す点がある。

LaVie Zの発売以来、最優先してきたのは、とにかく軽さだった。これまでに、シルバーやブラックといったカラーを採用してきたのも、一層塗ると3~4g増えるという重量増を避けるための措置。軽さのためにマイナスになることは行わないというのが基本姿勢だった。

だが、今回、プレシャスゴールドというカラーを標準カラーに設定。塗装による重量増があっても、価値を提案することを優先した。前面のLEDにハーフミラーを採用したり、狭額縁ディスプレイを採用したり、さらには、ラウンドフォルムを採用したりといったデザイン性を追求したのも、これまでにはないものだ。

前面のLEDには"遊びごころ"としてハーフミラーを採用し、デザイン性を高めた(本体の下にあるのは第2世代のLaVie Z)

そして、キーボードレイアウトでは、方向キーを独立させ、タッチパッドのボタンも独立させた。これらは、重量増につながったり、バッテリーの消費量を増やしたり、コスト増にもつながるといったマイナス要素でもあるが、それでも、ユーザーからの要望が高く、持ち運んだ環境での操作性を高めるという点から採用した。

新たに左右クリックボタンが搭載されたり、方向キーを独立させたりした。「やりたいという希望はありつつ、手が回らなかった部分」という

こちらは第3世代「LaVie Hybrid ZERO」。この第3世代モデルまでは、方向キーはキーレイアウトから独立しておらず、クリックボタンもタッチパッド一体型だった

「第4世代となり、マグネシウムリチウムに対する塗装に関するノウハウが蓄積されてきたこと、2in1パソコンとしての利用時に使いやすいデザインを実現すること、さらには操作時の使い勝手を高めることで、これまでの軽量化+αの新たな価値を提供することにこだわった。これも、単なる軽量化の追求だけでは限界があると感じたNECパーソナルコンピュータとしての回答になる」と中井主任は語る。

その点でも、第4世代となる今回のLAVIE Hybrid ZEROが、新たな次元に挑戦をした製品であることがわかるだろう。

軽量モバイル技術の集大成

今年の春モデルでは、富士通クライアントコンピューティングが、777gのクラムシェル型軽量モバイルノートPCLIFEBOOK UH75/B1を発表。LAVIE Hybrid ZEROが769gと発表したあとに、改めて761gと発表して、世界最軽量の座は富士通クライアントコンピューティングに渡った。

だが、NECパーソナルコンピュータでは、意に介さない。「軽量モバイルノートPC分野を開拓してきた当社にとって、市場の広がりに弾みがつくことを期待したい」と語る。

2in1 PCの世界における軽量化という新たな課題に挑戦したNECパーソナルコンピュータは、今回のLAVIE Hybrid ZEROを、これまでの軽量モバイルノートPC技術の集大成と位置づけている。その完成度は評価されるものであるが、それと同時に新たな頂を目指すための製品であるともいえよう。