ラインナップを2in1に一本化することは、第3世代では実現できなかった、クラムシェルモデルを超えた軽量化を実現することが前提となる。その点では、これまでのノウハウを活用しながら、新たな素材や技術を探しだし、それを今回の製品で生かせるかどうかがポイントだった。

NECパーソナルコンピュータが目をつけた軽量化のポイントのひとつが、液晶パネルにタッチセンサーを組み込んだ"インセル技術"を活用したディスプレイの採用だった。

タッチパネルでは、タッチ用フィルターなどを組み込むことが必要であり、これだけで約60gもの重量増が発生する。だが、製造段階からタッチ機能を組み込んだインセル技術を採用したディスプレイでは、タッチ対応でありながら、ディスプレイの重量増を最小限に抑えることができる。

インセル技術を採用したタッチセンサー内蔵LCDは、従来タッチ液晶に必要なガラスやフィルムを貼っていた部分を省き、軽量化に貢献した

「インセル技術の採用は、今回の軽量化において、最大の切り札になっている」と中井主任は語る。

インセル技術にはマイナス面も

インセル化したことで、唯一、マイナスに影響したのが、ディスプレイの解像度だ。第3世代ではWQHD(2,560ドット×1,440ドット)であったが、第4世代ではフルHD(1920×1080)となっている。しかし、これは消費電力の削減につながっており、バッテリ駆動時間の長時間化という別のメリットを生み出すことにつながっている。

実際、軽量モデルでは、従来の約5.9時間から約6.5時間に伸びている。上位モデルでは約10時間の駆動時間を実現した。

「軽量化モデルは約6.5時間としたことで、充電しにくい学校などの環境でも一日使える環境を実現できる。また、急速充電機能を使用すれば、1時間の昼休みに約80%までの充電が可能になる。午後の時間帯も十分に利用できる環境を整えている」とする。

ACアダプタも200gの軽量化を実現。「一緒に持ち運んでも1kg以下」というスペックを実現している。

軽量化への取り組みは、そのほかにもある。マグネシウムリチウム合金は、天板およびボトムケースに採用していたが、新製品では、これに加えて、空冷ファンのケーシングにも使用。見えないところにまでマグネシウムリチウム合金を採用したのは今回が初めてだ。

そして今回の製品で最も苦労したのが、アンテナの配置だという。