「今後、20g、30gと軽くしても、鞄に入れた時にどれだけの驚きと感動を生むことができるのか。単に軽くするだけでは、ユーザーの期待には応えられないのではないか」。中井主任の疑問は膨らんでいった。

振り返ってみると、第2世代のLaVie Zでは、Windows 8への対応とともに、タッチ機能を搭載したモデルを用意したが、並行してタッチ機能非搭載モデルも用意。こちらが、軽量モデルと位置づけられた。

約875gの初代LaVie Z(左・2012年8月発売)と、約795gの2代目LaVie Z(右・2013年11月発売)。この2モデルはいずれもクラムシェル型

第3世代で基本路線を2in1に

そして、第3世代ではLAVIE Hybrid ZEROへと名称を変更。ここでは、初めて2in1モデルを用意した。だが、2in1モデルとしたことで、ヒンジ構造などが大きく変化したことで、これが重量増に直結。従来モデルの重量を超えるという事態に陥った。そこで、急遽、従来製品同様に、クラムシェルモデルをラインアップし、これを軽量モデルとして追加したのだ。

第3世代「LAVIE Hybrid ZERO」の2in1モデル。2015年のCESで試作機がお披露目されたのち、NECパーソナルコンピュータの2015年春モデルとして登場した

第3世代でのクラムシェルモデルの追加は、従来製品よりも軽量化を図るという狙いを持った、いわば暫定的な措置であったのは明らかだ。

それは、LaVie Zから変更した名称が、LAVIE Note ZEROではなく、LAVIE Hybrid ZEROとした点からもわかるだろう。ハイブリッドの名称を持ちながらも、ハイブリッドではない製品がラインアップされたのだから異例だ。

だが、見方を変えれば、LaVie Zの流れを汲む軽量モバイルノートPCは、第3世代以降、「ノートPCとタブレットがハイブリッド(Hybrid)利用できる2in1 PCが基本コンセプトになる」という宣言が込められた名称変更でもあったわけで、それを名実ともに実現するには、第4世代で2in1に一本化するとともに、従来製品に比べても軽量化を図ることが必須条件であったともいえる。

実は、最初の企画会議において、中井主任は、「第4世代では、800gを切ってほしい」と提案した。