AppleはLightningをiOSデバイスで採用する一方で、2015年にリリースしたMacBook以降のポータブル型Macでは、USB-C、これとコネクタの形状を同じくするThunderbolt 3の採用を進めている。
MacBookでは29W、MacBook Proでは13インチモデルで61W、15インチモデルで87WのUSB-C電源アダプタが付属してくる。ケーブルは両端ともUSB-Cとなっており、MacBook Pro 15インチ向け87WのアダプタでもMacBook、MacBook Pro 13インチの充電を行うことは可能だ。 MacBookシリーズでは、旧来のポート類を一切排除し、Thunderbolt 3、USB-Cに統一した。MacBook Proを使っていると、どちらの側のポートからでも充電できるようになったため、ケーブルの取り回しがしやすくなったメリットがある。
しかし、TunewareなどからリリースされているThunderbolt 3からUSB-AやHDMI、SDカードリーダーなどのインターフェイスに変換するハブを用いなければ、現状は不便が多い。例えば、先日学会発表を行った際、会場が用意していたプロジェクターがD-sub 15ピンのVGA端子にしか対応していなかったため、iPad ProにKeynoteファイルを移し、Lightning-VGAの変換ケーブルを使ってプレゼンテーションをしなければならなかった。まだまだ過渡期であり、こうした不便な体験を様々な場所で経験することになるはずだ。iPhoneやiPadがUSB-Cに置き換わったとしたら、これらの問題の解決が早まるだろうか。
個人的には、iOSデバイスは引き続き、Lightningで進めていくべきだ、と考えている。2012年の採用以降、やっとマイクやキーボードなどLightningアクセサリが揃ってきた段階だ。また、AirPodsやApple Pencil、MacアクセサリでもLightiningを採用する方針をとったのに、折角の規格を捨ててしまうこともないのではないか、と思う。
「USB-C採用」を報じたのがWall Street Journalであることから、さすがに無視することはできないが、やはりiPhone、iPadへのLightning採用は続いていくのではないか、と考えるのが妥当だと思う。