Lightningは2012年、iPhone 5で初めて採用された。それまでは2001年に発売された初代iPodで利用されていた30ピンDockコネクタが流用され、iPodシリーズ、iPhoneシリーズ、そしてiPadシリーズ共通のコネクタとなっていた。
Lightningは30ピンコネクタよりもかなり小さく、どちらの向きでも差し込むことができる点で、デバイスの小型化と使いやすさを両立できる存在となった。
Lightningを採用するタイミングで、AppleはmicroUSBという選択肢もあった。しかしLightingを選んだ理由には、microUSBには天地の向きが存在していること、また双方向性が当時標準化されていなかったこと、そしてMade for iPhone(MFi)チップのライセンス料ビジネスを放棄しなければならないといった背景あったと考えられる。
Lightningには、USB、HDMIなどのディスプレイポートなどに変換するアクセサリが用意されているほか、Lightningポートから他のアクセサリへの給電にも対応する。Apple PencilをiPad Proに差し込めば、Lightningポートから電力が供給されて充電できるのはこのためだ。
AppleはLightningの活用範囲を拡げている。2015年にリリースしたMagic Keyboard、Magic TrackPad 2、Magic Mouse 2とMacとのペアリングと充電は、Lightingコネクタを通じて行われるようになった。また2016年発売のAirPods、2017年発売のBeatsXといったワイヤレスオーディオ製品も、充電端子としてmicroUSBではなくLightningが採用されている。
Lightningでの充電が可能なデバイスが増えることは、単純に、iPhoneユーザーにとってメリットが大きい。前述のMac向けアクセサリやAirPodsにもLightningケーブルが付属するため。当然これはiPhoneの充電にも利用できる。単体で購入すると1mで19ドルにもなってしまうため、各デバイスに付属してくるならお得な印象すらある。
また、筆者が使っているiPhone・iPad向けのマイクも、既にLightning接続のもので揃えていた。iPhone 7でヘッドホン端子が廃止されることが分かる以前から揃えていたものだったが、結果として、ヘッドホン端子に差し込むタイプのマイクよりも長く使えることになった。