Apple Parkには、ビジターセンターやカフェ、店舗などが併設される。これまでの社屋には、カンパニーストアがあり、パーカーやベビー服、文房具などのロゴグッズが充実していたが、Apple直営店のスタイルに改装され、現在はシーズンごとに変わるTシャツやノート、ペン、そして波佐見焼のロゴ入り茶碗などがラインアップされているだけになった。
洗練された限定グッズは魅力的ではあるが、以前のカンパニーストアに比べるとラインアップも狭まり、何よりサンフランシスコと同じApple直営店がそこにあるだけとなってしまったため、観光客にとっては面白みに欠ける存在となっていた。
新たなビジターセンターでも、オリジナルグッズが増えないかもしれないが、Apple Parkの自然を楽しみながらお茶が飲める体験は、貴重なものになるのではないだろうか。
また、敷地内の丘には1,000人収容のホールが整備される。ここは「Steve Jobs Theater」と名付けられている。これまで、Appleの新製品発表会は、キャンパス内のシアターで開催されてきた。直近では2016年3月のiPhone SE、iPad Pro 9.7インチモデルの発表会、そして2016年10月のMacBook Pro発表会が、これまでのキャンパス内にある「Town Hall」で開催された。
Town Hallは200人程度の規模と小さかったが、新しいSteve Jobs Theaterはその5倍のキャパシティがある。世界中からジャーナリストやメディアを招いても、十分収容することができるはずだ。タイミングとしては、次のiPhoneの発表会での使用になるのではないか、と期待される。
円盤状の社屋や、その内側に拡がる空間は社員専用のスペースとなっている。広大なフィットネスルームに、屋外のジョギング・ウォーキングのコースもある。Apple ParkでのApple社員のライフスタイルも、これまでとは全く異なるモノに変貌することになるはずだ。
こうした場所も、ぜひ取材してみたいところだ。本連載でも、お伝えできることを、筆者自身も楽しみにしている。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura