Apple Watchは、スマートウォッチとしては後発に見えるだろうが、スポーツトラッカーに偏重している現在のウェアラブル市場においては、それ以外の役割を持たせる可能性を積極的に探ろうとしている数少ないデバイスだ。

2016年第3四半期のウェアラブル市場を見渡すと、FitBitが依然として全体の販売台数の23%を占めている。続いてXiaomi、Garminがそれぞれ販売台数を増やしており、スマートウォッチからフィットネストラッカーに力を入れたSamsungも前年同期比約9割増と飛躍的な販売台数拡大となった

そんな中、Appleは9月7日にApple Watch Series 2を発表、同月末に発売したことから、2016年第3四半期は前年同期比71.0%減と急激な減速となったものの、価格を据え置いてより高速なプロセッサ、防水、GPS内蔵といったハードウェア面の弱点の克服をし、魅力的な製品に仕上げてきた。

またソフトウェア面でもアプリ起動を高速化し、ユーザーインターフェイスを分かりやすく整理したwatchOS 3を送り出した。デバイスのデザインこそ変わらなかったが、使って見ると「別物」という印象を受けるほどだ。

スマートウォッチというカテゴリで見ると、Appleは依然として市場のトップを走っている。ただ、Appleだけでなく、Lenovo、Pebbleも50~70%超の減速を喫し、スマートウォッチ市場全体でも前年同期比51.6%減と低調な結果となった

ホリデーシーズンに向けて持ち直すことが期待されるが、3.1%成長だったスポーツトラッカー中心のウェアラブル市場に対して、スマートウォッチ市場の難しさがうかがえる結果となっている。