Apple PayのFeliCaでの日本導入は、「Apple Payの原体験であるクレジットカードの非接触ICによる決済」を、店舗側のインフラ投資なしで実現する方策だ。具体的には、店頭のカードリーダーで見かける「iD」や「QUICPay」といった、「コンタクトレスネットワーク」(とApple Pay担当役員ジェニファー・ベイリー氏は呼んでいた)を用いて、クレジットカード決済を実現する。
恥ずかしながら、筆者はまだ、QUICPayやiDでの決済を利用したことがなかった。クレジットカード(ANAマイレージカードとJCB、PASMOが一体となったもの)もQUICPayに対応しており、飛行機の形をしたキーホルダーのようなQUICPay用ICカードも持ち歩いているが、コンビニやタクシーではついPASMOでの決済を選んでしまうし、店舗ではカード決済の癖が付いていたからだ。
Apple Payは、筆者にとっては、日本で既に普及しているコンタクトレスネットワークを認識させ、利用拡大につなげていくきっかけを作ってくれた。実際に、タクシーでの決済や、六本木ヒルズのTSUTAYAでの決済を体験してみたが、米国でのApple Pay体験と同様に、iPhoneだけで瞬時に支払いが終わる体験は、カードの受け渡しをしたり、現金やおつりのやりとりをするよりも圧倒的に速かった。