データ復旧のプロが語る、HDDの構造と進化、データ復旧技術の今後
昨年も好評だった、くまなんピーシーネットのステージ。同社の浦口氏はまず、最近のHDDにおける大容量化の技術について、読み取りヘッド、垂直磁気記録(ここまではほぼ利用されている)、瓦記録方式、He技術、デュアルステージアクチュエーター(一部採用が始まっている)、熱アシスト技術、ビットパターンメディア(今後採用の技術)について解説。現在、1プラッタあたり2TB前後の容量が、2020年には倍増するという資料を見せていた。
一方、HDDやNANDストレージのデータ解析(復旧)が難しくなっている現状も紹介。例えば、瓦記録方式はLBAと実際の記録位置が異なる、He HDDは分解するとHeガスが抜けて動作に支障が出る、自己学習式のSSHDはコントローラーを変えると正しく読み出せないと、従来のように「クリーンルームがあれば解析できる」という時代ではないそうだ。さらに、NANDストレージも解析が難しく、特に分解できないmicroSDカードは、(詳細は省くが)Micro Solderingによる解析が必要であると紹介していた。