続いて、VAIO賞(協賛賞)として、Hチームの「1日36時間の世界」が選ばれた。これは、誰もが自分だけの相棒「X(カイ)」を持つことで、仕事や家事にかかる時間を短縮してくれるというアイデア。「X」は現在のSiriやコルタナなどのエージェントUIに知能をプラスした進化型のAIUIで、ユーザーと一緒に考えたり、作業したり、推察してくれる存在。

たとえば、仕事のメールの返信に1時間かかっているところを10分に短縮してくれたり、資料集めに5時間かかるところを5分に短縮してくれたりする。Hチームはその具体的なストーリーとして、ごく普通のワーキングマザーのこずえさんが「X」を使って仕事や家事にかかる時間を減らし、「鰹節を削るところから出汁をとれるくらい」ゆとりを持って毎日を過ごせる未来を提示した。

VAIO賞(協賛賞)を受賞したHチームの「1日36時間の世界」の発表

審査員の岩佐氏は、「今回はAIをテーマにしたアイデアが多かったが、そのなかでも人間の本質的な部分を取り戻すためにAIを活用するアイデアに好感を持った。テクノロジー的に来年は無理でも7~8年かけて実用化し、10年後には大きな事業になっているといいなと思い、選ばせてもらった」と講評した。

また、伊藤氏は「AIで浮いた時間を、あえて人間らしい生活を送るために(鰹節を削るというような)手間をかけることに費やす発想が響いた」と語った。Hチームには1年間使用できるVAIOオリジナルSIM付きのノートPC「VAIO S11」1名分のほか、各メンバーに商品券3,000円分が贈られた。

Hチームのメンバーと審査員の岩佐氏(左端)、伊藤氏(右端)