米国では、カフェやレストランなどのお店で、無料のWi-Fiを設置している店が多い。街を歩いている間は仕方ないが、店に入ってスマートフォンを利用する際には、こうした店のWi-Fiを利用できるため、1カ月に500MBというデータ使用で済ませることができたのだ。

しかし、筆者の近辺のカフェやレストランで、回線速度が満足いく店は皆無だ。そのため、Wi-Fiアシストがないと、いくら待ってもWebページが読み込まれないなんていう事態は頻繁に発生する。この機能が必要な理由もまた、日々の生活の中で体験していることだった。

米国の場合、Wi-Fiだから4G LTEより早いか、といわれるとそうでもない。住んでいるバークレーにおいて、iPhone 6s Plusで計測すると、T-MobileのLTE回線は下り50Mbpsをコンスタントに記録している。

しかし自宅のケーブルテレビの固定回線は、何度計測しても25Mbps以上は出ない。さらにDSL回線では速度の上限が設備上の制限で6Mbpsまで、という建物もあり、少しでも人気がある店となると、店舗設置のWi-FiよりもLTE回線の方が早い。

さらに自宅のWi-Fiは、難しい状況にある。住宅地では、各家庭にWi-Fiルーターが配置されているため、2.4GHz帯域では電波干渉で思うように通信できない。5GHz帯域を利用する802.11aを利用する必要がある。筆者の自宅では、2.4GHz帯域の電波は20ほど見えるが、5GHz帯域の電波は3つのみだった。

もし5GHz帯域のルーターを立てていない場合、やはり自宅のWi-Fiを拾っていても、干渉で速度が出なかったり、接続が途切れるなどする場面が見られ、結果、Wi-Fiアシストが適用される可能性があるだろう。