デジタルアシスタントGoogle Nowの新機能「Now on Tap」のデモも印象的だった。アプリを使っている時にホームボタンの長押しするとアシスタントを受けられる機能だ。基調講演では、エレクトロニカミュージシャン「Skrillex」の曲を再生しながら、Now on Tapで「彼の本名は?」と聞くと、ユーザーが流している曲から彼=Skrillexと判断して「Sonny John Moore」という答えを返した。iOSで同じ答えをSiriから引き出すには「Skrillexの本名は?」と聞かなければならない。でも、ユーザーが音楽を聞きながら質問するとしたら「彼の本名は?」と聞く方が自然である。

ミュージックアプリで音楽を再生中に、Now on Tapを呼び出し「彼の本名は?」と聞いたところ、再生中の音楽を解析してSkrillexの曲であると判断し、「Sonny John Moore」のカードを返した

Googleは、ユーザーがNow on Tapを使う度に、モバイルアプリでのアクティビティを解析するチャンスを得られる。 PCでWebコンテンツを扱う方法と言えば、Webブラウザだが、モバイルではブラウザではなく、アプリを通じてユーザーがWebコンテンツに触れるのが主流になろうとしている。ユーザーがアプリ内でNow on Tapを使うことからGoogleが得られるものは大きい。また、その積み重ねが機械学習を賢くし、Google Now/Now on Tapをより便利なサービスに成長させる。

IoTプラットフォームの「Brillo」も、まだ”Project” Brilloという段階だが、Googleの本気が感じ取れた。対応する通信プロトコルのWeaveは、IoTデバイスをクラウドやスマートフォンに接続し、そしてIoTデバイス同士の通信も可能にする。現時点でわかる情報は少ないが、Weaveは既存のシステムとも組み合わせられる柔軟性を備えている。Googleが主張する通りに機能するなら、ドアロックやセキュリティカメラなど多種多様なデバイスを柔軟かつシームレスに連動・機能させられる。Googleの考えるユビキタスコンピューティングのチャンスが大きく広がることになる。