携帯3社が決済分野に対する進出を加速している。KDDIが電子マネーサービスの「au WALLET」を開始したのを皮切りに、ソフトバンクが「ソフトバンクカード」をスタート。NTTドコモも「dポイントカード」を提供し、3社の決済・ポイントサービスが出そろった。
もともと携帯キャリアは決済プラットフォームとして、毎月の携帯電話料金と合算して支払いを行う「かんたん決済サービス」を提供している。ユーザーとしては、一度、携帯電話料金の支払いの手続きをしておけば、コンテンツ購入の際などに毎回クレジットカードの入力をする、といった手間もないというメリットがある。販売側にとっても、すでに携帯支払いの実績があるユーザーの購入のため、課金が確実に行える。そしてキャリアにとっては、決済にともなう手数料を獲得できる。
とはいえ、かんたん決済はこれまで、ほぼケータイコンテンツの支払いに使われていた。携帯電話の有料コンテンツを買う人は限られているし、ユーザー数としては同じ決済プラットフォームのクレジットカードに比べれば微々たるものだ。
同様のプラットフォームとしてはおサイフケータイがあり、これは逆にリアル店舗の支払いがメインで、日本ではコンビニエンスストアをはじめとした流通、鉄道会社などの交通などで利用者は多い。とはいえ、携帯ユーザー全体で考えればそれほど利用者は多くはない。グローバルでは、Apple PayをはじめとしたNFCによるおサイフケータイライクな決済が注目されているが、日本では普及が頭打ちという印象がある。
ドコモが、おサイフケータイ向けのクレジットカードサービスとして「DCMX」サービスを開始したのは2005年。そしてKDDIが三菱東京UFJ銀行と「じぶん銀行」を開始したのが2008年。各社とも決済分野への取り組みは続けてきたが、ここにきてKDDIが投入したのがau WALLETだ。