Android史上最大のアップデートだが、まだ始まりに過ぎない

Android 4.4以下からAndroid 5にアップデートして、Android端末が使いやすくなった。それはAndroidチームが意図した成果だと思う。通知で提供する情報を増やすと個人情報漏洩への不安が増す。だから、併せてパスコードロックも利用しやすくするなど、単純に新機能を加えるのではなく、端末の使用体験がバランス良く向上するようにAndroidを進化させている。

こうしたAndroidチームの開発姿勢やマテリアルデザインの意図は、Androidの新たなチャプターへの期待を高めるものになっている。ただし、Android 5 Lollipopはマテリアルデザイン時代のAndroidの始まりに過ぎない。Googleが目指すところは伝わってくるものの、そこに至るまで、まだまだ遠いという印象だ。

今回Nexus 4にファクトリーイメージを入れてみたが、正式版なのに細かなバグでつまづくことが多かった。これまでのAndroidのメジャーアップデートと同様、所有している端末へのアップデート提供を心待ちにしているユーザーは多いと思う。これだけの大きな変化なのだからなおさらだが、大規模アップデートのためかKitKatの時よりも安定性に欠ける。OTAアップデートの対象機種になっている筆者のNexus 7には、まだOTAアップデートが届いていない。安定性の問題がロールアウトのペースに影響しているとしたら、Android端末メーカーの採用が増えるのにもしばらく時間がかかりそう。しかし、期待して待つだけの価値のあるアップデートである。