Android Wear端末の発表が意味すること

基調講演は、Android Lのプレビュー、Android Wearのユーザーインターフェイスのデモ、Android Wear端末「Gear Live」「LG G Watch」の予約受付開始の発表、Android Auto発表、Android TV発表、AndroidアプリをChromebookで動作させるデモと続いた。この怒濤のAndroid関連のデモと発表からは、GoogleがAndroidを"あらゆるスクリーン"に広げていくという意思が伝わってきた。

モバイル優先から、他のスクリーンにもAndroidの世界を広げる

モバイルを制したAndroidを他の種類のデバイスにも広げるのは当たり前と思うかもしれないが、これまでGoogleはAndroidの拡大に消極的だった。例えば、過去の同社のTV戦略を振り返ると、最初が「Google TV」、2012年にメディアストリーミングプレーヤー「Nexus Q」の開発をGoogle I/Oで発表したものの製品発売に至らず、そして「Chromecast」だ。Androidの技術が関わっているものの、Androidを前面に出した製品はなかった。

それが今回のGoogle I/Oで一転して、Androidで全てのスクリーンを攻略する戦略に舵を切った。Webアプリへの過度なこだわりを捨てた印象だ。もちろんAndroidなら上手くいくとは限らないが、すでにモバイルにおいてユーザー、開発者やコンテンツプロバイダの支持を得ているAndroidの有利性をとことん活かそうとする姿勢は、ライバル企業にとって脅威になるだろう。また、真っ先にMaterial Designを発表していたから、GoogleがWeb企業であるのを求める人たちに対しては、同社がAndroidに染まるのではなく、それがChromeの未来にもつながるという印象を与えられていた。

最新のGoogle Play Servicesの利用者は93%、「Googleのサービス=Android」なら、断片化やマルウエアの問題は解決済み