決済機能

Healthbookに並んで、長らく指摘されているのが、AppleがApple IDを背景とした決済サービスを始めると言う点。既に実店舗のApple StoreではアプリとApple IDを活用した決済システムを導入しているが、このエンジンを他のリアルやオンラインの店舗に拡大させていくというアイディアだ。ちなみにこの領域ではAmazonやGoogleが先行しており、リアル店舗ではSquareが幅をきかせている。

Square利用イメージ

決済機能と合わせて、NFCの導入についても指摘されている。既にGoogleはAndroidデバイスに多数搭載されているNFCと決済機能を結びつけるGoogle Walletアプリを提供しているが、米国で筆者が住んでいるバークレー市で利用できる店舗は、バークレー発祥でスターバックスの原型となったコーヒーチェーンのPeet's Coffee & Teaくらいしか見当たらない。つまり、使われていないということだ。

iPhoneやiPadにNFCが搭載されてももちろん使い道を作れるだろうが、Appleが全米中のお店にNFC端末を配って歩くかどうかは疑問だ。普及速度の遅いもの、すでにiPhoneやiPadを使っている人たちに更に出費を求めなければ普及できないものを、Appleは選ぶだろうか。

それこそ、AppleはSquareを買収してしまえばいいのに、と思う。リテール店舗での素早い普及を考えると、もうやめてしまったSquareの位置情報を活用した決済機能「Square Wallet」の方がスジが良さそうだと筆者は感じている。

例えば、レジとなるiPadやiPhone、iPod touch端末がiBeacon発信機となり、GPSとBluetoothで店舗内にいることをダブルチェックして、Touch IDで支払い、という手順は、店舗側の投資も最小限で済み、決済端末にiPhoneをタッチするという不格好な動作も必要ない。