つまり、イー・アクセスはソフトバンク子会社から孫会社になったという形だ。イー・アクセスがソフトバンク子会社から借り入れているグループ間ローンはヤフーからのローンへとリファイナンスされ、イー・アクセスとソフトバンクの関係は、引き続きグループ企業ではあるものの、今後は間接的なものとなる。
また、先ほどイー・アクセス株の99.68%がヤフーに移るとしたが、イー・アクセスはウィルコムと今年6月1日付けで延期されていた合併作業を完了させる予定となっており、この99.68%という数字は両社合併後の存続会社であるイー・アクセス株のことを指している。
両社合併延期は2月中旬ごろにアナウンスされており、ヤフーによるイー・アクセス買収活動はこの2ヶ月ほど前にあたる昨年末から今年1月くらいまでに本格化していたと考えられる。ヤフーの宮坂氏は、買収のきっかけは同氏がイー・アクセスへの打診を行ったことから始まり、最終的にはソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏のゴーサインで了承されたという。
宮坂氏ならびに、ソフトバンク関係者に確認したところによると、内部的に会計処理の手順が変わるだけで、現在ソフトバンク~イー・モバイル~ウィルコムの間で実施されているネットワーク相互乗り入れは今後も継続し、利用に際してユーザーが特に変化を感じることはないとしている。
ソフトバンクはイー・モバイルのネットワークをトラフィック分散先として活用しており、一方でイー・モバイルは全国レベルのカバレッジの弱さをソフトバンクのネットワークでカバーしている相互補完関係にある。この事情は親会社がヤフーになっても変わらないようだ。実際、ウィルコムのAXGPネットワークを運営するWCP (Wireless City Planning)は現在もソフトバンク傘下であり、これはTD-LTEをプッシュしているソフトバンクにとっても非常に重要な資産だ。