記者説明会で紹介されたのは「LTE-Advanced対応ネットワーク連携三次元空間セル構成技術」。これは三次元空間に配置された複数の基地局をネットワークで連携させ、セル間の干渉を抑える「ネットワーク連携干渉制御」によるもので、ソフトバンクモバイルが世界に先駆けて実現したという。具体的にはどういった技術で、どのようにして電波の干渉を抑えられるのだろうか。

登壇する研究本部無線アクセス制御研究課の長手厚史氏。マクロセルと極小セルは同じ周波数で吹いているため、電波の干渉を引き起こす。これが三次元空間セル構成の課題だった

現在、街中には広範囲に吹いている「マクロセル」と、建物内に吹いている「極小セル」が存在する。両者とも、利用者の生活環境に電波を行き渡らせるために必要不可欠な施設だ。しかし、ともに同じ周波数を使用しているため、同一エリアでは干渉を引き起こしてしまう。また極小セル間でも干渉が起こる。ひとたび干渉が起きると、通信性能は著しく低下してしまう。今回の実証実験は、この弊害を解決する技術となる。マクロセルと極小セル間には「eICIC」「ネットワーク連携セル間干渉キャンセラー」を、極小セル間には「eICIC」「ネットワーク連携基地局ビームフォーミング」を適用する。

登壇するモビリティネットワーク研究課の岡廻隆生氏。同社ではeICIC、連携セル間干渉キャンセラー、ネットワーク連携基地局ビームフォーミングにより干渉を回避するシステムを提案