CPUやGPUは良好。ストレージの遅さが気になる
ベンチマークテストでざっくりと性能を見る前に、試用機のハードウェア情報を「HWiNFO64」および「CrystalDiskInfo」でチェックしてみた。最近はずっとSSD搭載ノートPCを中心に見てきたせいか、純然たる5,400rpmのHDDをストレージのメインに据えているマシンを評価するのは逆に新鮮だった。
では総合ベンチマーク「PCMark7」から。CPUやGPUは上位クラスのスペックを備えているが、ストレージがHDDであることがネックとなってしまった。総合スコアだけ見ると、「BayTrail-Tタブレットよりちょっと速い程度か?」と誤解しそうにもなるが、Computation Scoreのように計算力が試されるテストでは、しっかり性能を出している。
■ PCMark 7 | |
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PCMark score | 2835 |
Lightweight score | 1420 |
Productivity score | 1021 |
Creativity score | 2849 |
Entertainment score | 5185 |
Computation score | 13768 |
System storage score | 1461 |
Raw system storage score | 303 |
ストレージ性能が厳しそう、ということがわかったので「CrystalDiskMark」で詳しく読み書き速度を計測してみよう。
結果から判る通り、シーケンシャルリード・ライトともに90MB/sec台というのは現行HDDの中でもやや遅いレベル。アプリやOSの起動時にややもたつく印象があるが、その原因はストレージの速度にある。SSD、またはそれに準じたハイブリッドドライブなど、もうちょっと今どきのノートPCらしいストレージを、CTOの選択肢として用意してほしいものだ。
続いてはCPUの馬力を見るための「CINEBENCH R15」、そしてGPUの馬力を見るための「3DMark」だ。
■CINEBENCH R15 | ■3DMark | ||
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CPU Multi | 539 | Fire Strike | 1490 |
CPU Single | 125 | Cloud Gate | 8425 |
Ice Storm | 65325 |
CPUの評価はCore i7らしいパワーを感じさせるが、搭載GPUはモバイル用ミドルレンジの中でも低めに位置するNVIDIA GeForce GT 750Mであるため、Fire Strikeのスコアはふるわない。
Core i内蔵GPU(Intel HD Graphics系)よりは高速だが、現行のデスクトップ向けミドルレンジGPU(GTX 650TiやRadeon R7系など)と比べると、パワーが落ちる。大型ハイエンドクラスの製品なので、もう少しパワフルなGPUが欲しいところだが、コスト面で厳しいのだろう。
このGPUパワーはどの程度のゲーミングに堪えられるのか? ということで「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」の公式ベンチ(キャラクタ編)でテストしてみた。
結果は下図の通り。GeForce GT 750MだとフルHD&最高画質では"普通"評価だが、画質設定を一番下(標準品質)まで落とすと、かなり快適に遊べることが分かる。Gigabit Ethernetも付いているし、サウンドも良く鳴るため(Beats Audioはクオリティが高い)、ライトゲーマーが使ってもよいマシンといえるだろう。ただ冷却ファンがちょっとうるさいため、ヘッドフォンを用意してプレイしたい。
最後に「bbench」を使ったバッテリのスタミナをテストする。液晶は50%輝度固定、バックライト常時点灯に設定し、無線LANを使った定期的なWeb巡回とキーストローク加えてテストした。
結果は「6時間33分」で、17.3インチという大型液晶を搭載し、HDDやGPUといった電気を食うデバイスを積んでいる割には、バッテリ駆動時間は結構長め。大きく重いのでモバイルには向かないが、家庭内でちょっと移動して使う程度の利用法なら、十分なスタミナを備えているといえるだろう。