リッチな装備を備えた大型ノート

ENVY17 LMSEは17.3インチの大型液晶と、DVDスーパーマルチドライブを内蔵した大型ノートだ。後ほど解説するLeap Motionのほか、10点対応マルチタッチや指紋認証ユニット、そして日本HP製PCではおなじみのBeats Audioによるサウンド機能など機能は豊富。

その一方で、CTOにおける選択肢はメモリ/光学ドライブ/HDDなどに限定されている。特にストレージは標準構成のものを含め、HDDに限定されており、SSDは用意されていない点に注意したい。もっとも、2.5インチベイは2基もあるし、本体底面のハッチを開ければ増設は楽なので、後々の伸びしろはある程度確保されている。

予算に折り合いが付けば、1TB HDD×2台の構成がおすすめだ。なぜなら、内部でHDDを接続するために必要な、専用SATAフラットケーブルが手に入るから。HDD×1台の構成だと、「内部HDD 2」を接続するための専用SATAフラットケーブルが付いてこない。HDD×2台の構成にして、システムドライブ(HDD 1)を自力で2.5インチSSDに換装すると、パフォーマンスも体感速度もグッと高まる(当然ながらサポート外なので自己責任)。

液晶が大きいだけに本体サイズもデカい。モデルの肩幅(約42cm)とほぼ同じ、という点に注目

天板は上品なつや消し加工が施されたアルミ製。中央にHPのロゴがあるだけのシンプルなデザインもグッドだ

本体の造形はシンプルなようで凝っている。手前は絞り込んで薄さを、背面は斜めにカットすることでシャープさを演出。背面の見えないところに「HEWLETT PACKARD」の刻印もあった

ボディはデカいが余計な装飾はなく、シンプルで上品にまとめられている点に好感が持てる。背面は全てヒンジが占め、インタフェースは左右両側面に配置されているので、USB機器やメモリカードの着脱もしやすい。USB 3.0ポートは4基、外部ディスプレイ出力としてHDMIを1基、有線LAN接続用にGigabit Ethernet……と、側面の装備はごく一般的なものだ。

左側面(写真左)はHDMI出力やSD/SDHC/SDXCカードスロットのほか、展開式のGigabit Ethernetポートなどを配置。右側面(写真右)の大半は光学ドライブが占有する

本体左右に2基ずつ配置されたUSB 3.0ポートのうち、左手Gigabit Ethernet寄りの1基のみが、ENVY17 LMSEが電源オフ中でもスマートフォンなどに給電を続けることができる。欲をいえばもう1基くらい、電源オフ中の充電対応USBポートが欲しかった

右側面のミニジャックのアイコンはヘッドセット。つまりジャックセンス機能を備え、装着するデバイスに応じマイクとヘッドフォン端子を自動的に切り替えるのだ

試用機の光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだった。CTOでは、ブルーレイROMコンボドライブ、書き込み対応ブルーレイディスクドライブが選べる

日本HP製PCといえばBeats Audio。キーボード上部に配置した4基のスピーカーと底面のサブウーファーで、迫力のあるサウンドを楽しめる

大型ノートだけあって、キーボードもテンキーまでキッチリと用意されている。JIS配列キーボードを収めるために、BackSpaceやAltキーが小さくなっているが、このあたりは慣れでカバーできるだろう。パームレスト右手にはLeap Motionのセンサー部分と指紋認証ユニットが仕込まれている。

17.3インチ液晶搭載ノートだけあって、テンキーが付いても左右に余裕がある。キーピッチは特殊キーを除けば実測18.7mm。キー上部のグリル下にスピーカーユニットを配置している

暗所での作業には欠かせないキーボードバックライトも、もちろん搭載。文字の部分からもしっかり光が透過し、視認性は良好だ

搭載液晶は1,920×1080ドット(フルHD)で、10点マルチタッチ対応になっている。13インチクラスのノートに採用されているような超高解像度液晶でないため、文字表示にドット感は残るものの、発色自体はメリハリが適度にあって美しい。

液晶の視野角はやや狭いものの、発色は良く写真編集にも問題ないレベル。映り込みが強いので照明の配置には注意したい