人に寄り添うコンピューティングのハブ
コンテンツのハブはクラウドになったが、ポケットに入っているデバイス、iPhoneは何らかのハブとしての役割が残されているだろうか。
2014年1月に開催されている家電の展示会International CES 2014では、4Kテレビ、ウェアラブルデバイス、そしてスマートホームやスマートカーといった、インターネットやモバイルのテクノロジーが様々な分野へと拡がりを見せている。
この環境の中でも、人のポケットに入り、通信ができ、64ビットプロセッサを搭載するなどパソコン並みの処理能力を備え、ある程度の保存領域を持っているスマートフォンは、様々なデバイスの中間で作用するデバイスとしてのポジションを固めていると見て良いだろう。
例えばウェアラブルデバイスは、それそのものがインターネットとの通信や見やすい画面や高度な分析アプリを備えていない代わり、Bluetoothなどでスマートフォンのアプリと連携させ、スマートフォンで情報を表示したり、クラウドへ情報を送ったりしている。
またAppleがiOS 7向けに新たに導入した近距離の位置情報認識を行うiBeaconは、Bluetooth LEを受信できるスマートフォンとアプリの組み合わせで、歩く人に対しての情報提供を行うことができるようにした。これも、スマートフォンがポケットに入っていることを前提にして、「誰が」「どこに」来たという情報を狭い場所で認識する方法として作り出されている。
このように、インターネットと人の間に入って通信をしたり、物と人とのコミュニケーションの通訳をする、そんな役割がスマートフォンに課せられることになり、iPhoneはクラウドとリアル世界でのハブとしての役割を果たしていくことになるだろう。