小田急線の成城学園前駅(東京都世田谷区)から徒歩15分。閑静な住宅街のなかに、「樫尾俊雄発明記念館」はある。
2012年5月、87歳で逝去した故・カシオ計算機 名誉会長 樫尾俊雄氏の功績を、後世に伝えることを目的に2013年6月にオープンした同記念館は、俊雄氏の自宅の一部を公開する形で運営しているのが特徴だ。
樫尾俊雄発明記念館は完全予約制で、開館時間は午前9時30分~午後4時30分まで、休館日は土日祝日、年末年始、夏季休暇など。見学申込は、Webサイトで受け付けており、現在は1時間あたり上限10人を目安にしているという。入館料は無料。詳細は樫尾俊雄発明記念館のWebサイトを参照いただきたい。
俊雄氏が寝食を忘れて、発明に明け暮れた書斎を「創造の部屋」とし、そのほか、俊雄氏が兄弟とともに発明した世界初の小型純電気式計算機「14-A」を展示している「発明の部屋」、俊雄氏と後継者たちによる発明品の数々を展示している「進化の部屋」で構成されている。なかでも、現在でも稼働する「14-A」は、俊雄氏の発明にあって欠かすことができない製品だ。
今回、カシオ計算機 代表取締役副社長の樫尾幸雄氏とともに樫尾俊雄発明記念館を訪れ、樫尾幸雄副社長に14-Aを実際に動かしてもらいながら、当時のエピソードなどについてうかがった。