■アウトプットは“超即訳”と“定義付け”
1つ目は、日本語で書かれたテキストを、英語が話せる人の前で英訳して話すことです。これを超即訳と呼んでいます。英訳は行っても決して翻訳ではありません。
書いてある日本語を「英語にする」というコンバージョンの訓練です。言語としてのコンバージョンはもちろん、英語になりにくい日本語独特の表現や言い回し、あるいは情報の並びそのものもコンバージョン、時には足りない情報、例えば「So what?(だから何)」を付け足す必要も出てきます。
取り組む日本語のテキストは、新聞の切り抜きでも、もっと簡単な文章でも何でもいいです。大切なのは、翻訳することではなく、要するに何を言いたいかを英語で話すことです。
いままで800名を超えるビジネスパーソンに試してきましたが非常に効果的です。
相手が言っている英語が分からなければ「分からない」と言うので、私に理解してもらうにはどう表現すればいいのか、を受講者たちは考えます。これを3カ月続けると、英語スキルが激的に変わります。
2つ目は、定義することです。
例えば「電話」を定義すると、日本人は、「人と話す」、「NTT」という言葉を脊髄(せきずい)反射的に発しがちですが英語を話す人たちは「電話とは、電子機器です。それは離れた人とコミュニケーションをと取るためのものです」とすぐに回答が返ってくる。
ほかにも、山は「It’s an elevated part of the earth and is higher than a hill.」(土地が隆起した部分です。それは丘より高いです)、「いす」なら、「It’s a piece of furniture to sit on.」(家具の一つで、座るためのものです)など。
定義する言葉は、最初は単純なモノからはじめて、徐々にレベルを上げて、今度は「概念」、例えば「教育」、「会社」など移り、「自社」、「自社製品」、最後に天王山、「自分」という究極のテーマに挑戦します。英語のロジック力が飛躍的に身に付きます。
これは手元に英英辞典があれば、いつでもどこでもできる訓練です。ぜひやってみてください。
●お話を伺った方
ショーン・マクアードル川上(ショーンK)氏
経営戦略コンサルタント。さまざまな事業領域における外資系、日系企業の経営戦略、経営再建、事業開発、戦略提携(M&Aなど)、グローバル経営などへの助言、支援を行うブラッドストーン・マネジメント・イニシアチブ代表取締役。現在、東京、ニューヨーク、パリ、シンガポールなど7都市を拠点に経営コンサルタントとして活躍。ベンチャー育成、創業支援、ビジネスリーダーのためのスキル開発トレーニングなどの活動にも従事。また、執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティ、コメンテーターなどマルチな活動を展開中。主な著書に「プロフェッショナルの5条件(朝日新聞出版)」、「MBA講義生中継 経営戦略(TAC出版)」、「自分力を鍛える(あさ出版)」、「即聴⇔即答ビジネストレーニング(アルク)」などがある。
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