消費電力(グラフ34~35)

さて、最後がこちらである。いつもの通り電源にワットメーターをつけて、

Idle(Low) コントロールパネルの電源オプションが「省電力」で無負荷状態
Idle(High) コントロールパネルの電源オプションが「高パフォーマンス」で無負荷状態
Sandra Int Sandra 2011 SP1でDhrystoneを実施
Sandra Float Sandra 2011 SP1でWhetstoneを実施
3DMark Vantage GT1 3DMark VantageのExtreme ProfileでGame Test 1を実施
3DMark Vantage GT2 3DMark VantageのExtreme ProfileでGame Test 2を実施
H.264 2pass MainConcept Reference 2.20で、H.264/AVC Proを使い2passエンコード

における実効消費電力のピーク値をそれぞれ測定した(Idleは電力の最低値を、その他は最高値を測定)。

ということで結果がグラフ34であるが、FX-8150の値が驚異的であった。Idleにおける消費電力は120Wで、これはPhenom II X6と比較しても20W以上低い。ところがSandra IntとかSandra Floatにおける消費電力は50W以上大きい。勿論Core i5/i7と比較しても圧倒的である。

もう少し判りやすくするため、Idle(High)の値とそれぞれのテスト中の値の差をまとめたのがグラフ35である。FX-8150のSandra Int/Floatの値は130Wを超えており、要するに、

  • 待機時におけるFX-8150の消費電力は、0とは言わないものの恐ろしく低い。
  • フル稼働時にはTurbo Coreが激しく動く結果として、TDP枠一杯まで消費電力を使い切る。

という傾向が見えてくる。TDP枠は125Wだからオーバーしているのでは? と思われるかもしれないが、ここにはメモリアクセスの増分とか、発熱に応じて急増するファンの消費電力増分も含まれるから、恐らく125WのTDP枠は守っていると思われる。

とはいえ、これはなかなかに恐ろしい数字である。これまでAMDにせよIntelにせよ、TDP枠はあくまでも守るべき枠であって、これをやや下回る程度で動くのが普通だったが、FX-8150では枠一杯まで使い切る模様だ。

もっとも現状ではAMDの新しいTurboCore 2.0の働きでこれが実現しているのか、それとも単にES品がTDP枠一杯まで使い切る構成になっているのかまでは判断しきれない。このあたりも、もう少し細かく調べて別途お伝えしたい。