長い歴史に培われた高い完成度

四半世紀を超えた歴史を持つMIFESの完成度は改めて述べるまでもありません。様々なテキストファイルだけでなく、CSV(カンマ区切り)形式やTSV(タブ区切り)形式、バイナリファイルの編集にも対応し、2GB×100ファイルまで開くことも可能です。肥大化しがちなログファイルやテキスト形式のデータファイルなど、大容量ファイルの編集を頻繁に行うユーザーには大きなアドバンテージとなるでしょう(図01)。

図01 テキストエディターながらも、バイナリファイルの編集にも対応しています

今では一般的となりましたが、ファイルの種類にあわせたキーワード配色機能やUnicodeに代表される各種文字コードもサポート。テキスト編集時に多用するコピー&ペースト機能は、以前からMIFESが得意分野としてきた機能で、文字単位や行単位の選択はもちろん、箱庭範囲選択や列単位(CSVモード)による切り貼りに対応しています(図02)。

図02 箱庭範囲単位の選択機能も従来のバージョンから引き継がれています

目的の場所にジャンプする機能はもちろん備わっていますが、意外に便利なのがブックマーク機能。タグや章・節・項といった区切り場所をブックマークすることで、左ペインのリストウィンドウやブックマーク一覧ダイアログに列挙され、素早く目的の場所へジャンプできるというもの。これらの情報はMIFESが管理する履歴情報の一部として格納されるため、次回以降も引き継がれます。HTMLによるホームページ作成時や文書作成時に、後から再チェックしたい箇所をブックマークする際に便利でしょう(図03~04)。

図03 行数の右側に表示されているブックマーク。リストウィンドウの内容を切り替えることで、素早く目的の行にジャンプできます

図04 [Ctrl]+[J]キーで起動するブックマーク一覧。これらの情報はMIFESの設定ファイルに記録されます

検索や置換機能は正規表現をサポート。もちろん正規表現を使いこなすには、一定の経験が必要となりますが、入力ボックスの横にあるボタンを押すと表示されるメニューから各メタ文字を呼び出せるため、正規表現に不慣れなユーザーでも自由な検索・置換が可能です。ただし、マウス操作を前提にしたUI(ユーザーインターフェース)デザインは残念に思う場面も少なくありません(図05~06)。

図05 編集中のテキストファイルを対象に行う検索機能

図06 こちらは置換機能。ダイアログの内容は基本的に検索ダイアログと共通である

UNIX系OSに慣れたユーザーであれば、コマンドラインツールであるGrepの有用性は理解できるでしょう。指定したファイルおよび複数のファイルから、特定文字列を検索するためのコマンドですが、MIFESに備わるグローバル検索機能は、Grepと同じ動作をWindows OS上で実行するというものです。検索文字列は最大三つ、対象フォルダーは最大五つまで指定可能。また、同時に検索対象から取り除く設定や、ファイルの最終更新日時を指定することもできます(図07~08)。

図07 数々のファイルを対象に検索を実行するグローバル検索機能も用意されている。除外設定が豊富なのが便利だ

図08 同様の環境で置換操作を行うグローバル置換機能を使うことで、関数名の変更や表記統一も簡単に行える