htc EVO WiMAXは、3G回線としては800MHzと2GHzの周波数帯をサポートするが、KDDIは海外と異なる周波数帯でエリア展開をしており、現在はそれを海外に合わせる形で改修を行っている。いわゆる旧800MHz帯と新800MHz帯が混在している形で、通常のau端末はこの2つの周波数帯をサポートしている。ただ、htc EVO WiMAXは旧800MHz帯をサポートしておらず、新800MHzに移行していないエリアでは利用できないことになる。田中社長は、2GHz帯都心800MHz帯を合わせると、すでに人口カバー率は99%に達していると話し、一部地方を除いては問題にならないという認識を示す。
WiMAXもエリア拡大が進んでいるとはいえ、現状は都市部とその近郊にとどまり、大都市圏でも屋内・地下街・地下鉄エリアでのエリア化もまだ発展途上の段階だ。特に地下鉄駅構内に関して田中社長は、これからも頑張っていくとだけ話しており、今後の課題と言えそうだ。なお、UQのサービスであるUQ WiMAXには無線LANサービスがあり、地下鉄駅構内などでも無線LANを使うことで通信が行えるようになっているが、htc EVO WiMAXはこのUQ WiMAXには対応していない。
端末料金に関しては、「2台目需要を想定したプランは用意しない」(KDDI)。当初はEZwebメールには非対応で、Cメールも受信のみのサポートだが、「上期のなるべく早い段階で対応する」(サービスプロダクト企画本部長 増田和彦氏)という。
また、htc EVO WiMAXは海外でも使われている端末だが、+WiMAXサービスのために手が加えられており、国際ローミングについては非対応だという。UQでは米国などでPC内蔵WiMAXに関してはローミングサービスを行っているが、htc EVO WiMAXでは利用できないとのことだ。
田中社長は会見で、htc EVO WiMAXでWiMAX利用が増え、3G回線の通信料収入が減る可能性について問われ、「auのワクワク感をユーザーに伝えるのを優先した」との意向を示す。htc EVO WiMAXでは、WiMAX利用でもパケット通信料金は必要となるため、収益に対する影響がどの程度になるかは未知数だが、田中社長はユーザーへの訴求を優先し、多少の収入減は問題視しない考えだ。
HTCのEngineering & Operations部門のPresidentでCorporate Senior Executive Vice PresidentのFred Liu氏は、htc EVO WiMAXについて「HTCの端末の中でも最重要の端末で、世界で一番の成功を収めたWiMAX端末」と説明。日本で「最高のモバイル体験を提供したい」とアピールした。