セットできる用紙の枚数はMG6130が有利だが
低価格モデルでは、1種類の用紙しかセットできないことがほとんどだ。しかし、印刷にしてもコピーにしても、複合機の場合は異なるサイズおよび種類の違う用紙を使い分けることが多い。通常はA4用紙を給紙場所にセットしたまま使うのがメインだとしても、はがき類やL判、2L判の写真用紙などに印刷する際は、他目的トレイなど別の給紙場所に用紙をセットできることが望ましい。当然ながら今回紹介している両製品は2種類の用紙を同時にセットすることができるが、実際に使用してみるとその構造と使いやすさに差がある。では、その違いを見ていこう。
EP-803Aは本体下部の給紙トレイ自体が上下二段構造のマルチトレイになっており、下段にはA4までの用紙(A4普通紙で最大120枚)、上段には写真用紙やはがきといった小さい用紙をセットすることが可能だ(最大20枚)。上段の給紙容量が少なく感じるが、20枚以上の写真やはがきを印刷するときは、下段を利用すると給紙の回数を減らせる。下段の容量は、はがきで50枚だ。二段構造のマルチトレイは用紙が外部に露出しないのでホコリなどが紙に付着しにくい反面、セットできる枚数が少なくなってしまうのが欠点だ。
EP-803Aは給紙カセットが上下の二段構造になっている。下段トレイにはA4までの普通紙をセットして、上段のトレイにははがきや写真専用紙をセットしておくことができるが、セットできる用紙の枚数が少ないのが残念 |
一方のMG6130は、本体前面下部の普通紙専用カセット(最大150枚)に加えて、さまざまな用紙に対応した給紙フィーダが本体後部に設けられている。普通紙専用カセットは本体に収納でき、引き出して用紙をセットし、再び本体に収納して使う。給紙フィーダの容量は、普通紙が150枚、はがきが50枚だ。普通紙専用カセットと給紙フィーダの両方にA4普通紙をセットすれば、最大300枚の給紙が行える。給紙容量の面では、EP-803Aと比べてMG6130が勝る。本体後部の給紙フィーダは用紙が外部に露出するのでホコリを完全に防ぐことは難しいが、厚手の用紙への負担が少ないというメリットがある。
こうした給紙システムは、本体の設置スペースにも意外と影響する。後部の給紙場所を持たないEP-803Aは、背面ぎりぎりまで壁に寄せて設置/運用ができるが、MG6130で後部給紙フィーダを使う場合は、背面に多少のスペースを確保する必要がある。この辺りはユーザーの使用スタイルで左右されるので、複合機を設置する場所、印刷枚数、異なる種類の用紙をどれくらいの頻度で使い分けるかといった点を、あらかじめ頭の中でシミュレートしておくとよいだろう。
両面印刷機能が必要な場合には標準搭載のMG6130
EP-803Aは自動両面印刷ユニットがオプションとなっているが、MG6130は標準で内蔵しているため、追加で購入する必要がない。自動両面印刷については、利用する/しないの個人差が大きいと思うが、あって困るものではないのでMG6130が有利だといえよう。
また、EP-803Aに自動両面印刷ユニットを増設すると価格が約3000円ほどアップするだけでなく、全体の奥行きが長くなってしまう点も覚えておきたい。EP-803Aの奥行きは385mmであり、MG6130の368mmに比べて17mm大きいのに加えて自動両面印刷ユニットの厚みがこれにプラスされることになる。