「iLife '11」は、写真管理のための「iPhoto」、動画を編集できる「iMovie」、音楽制作用の「GarageBand」、Webサイトを作成できる「iWeb」、DVD作成のための「iDVD」の計5ソフトで構成されている。このうち、一般的なユーザーにとってもっとも活用する機会が多いと思われるのがiPhotoだ。

iPhotoの基本的な使い方は非常にシンプル。デジタルカメラをMacに接続すると自動的にソフトが立ち上がり、画像の取り込み画面が表示される(デフォルトの設定のままの場合)。画面上に表示される取り込みボタンをクリックして画像を読み込めば、そのまま自動的に撮影日時などで分類されてiPhotoのメイン画面に登録される。画像ファイルは、iTunesなどと同様にメタデータによって管理されるため、ユーザー側でフォルダをつくったりファイル名をつけたりする必要がないのが便利。写真だけでなくデジタルカメラの動画も一緒に管理できるので、撮影したら静止画、動画の別なくとにかくどんどん取り込んでいけばいい。

iPhotoには、「イベント」「写真」「人々」「撮影地」の4種類のライブラリ管理画面が用意されている。このうち、「イベント」では、同一テーマの写真をひとつのグループにまとめて管理することが可能。「写真」では、撮影した順に時系列で写真を並べて表示することができる。「人々」では、特定の人物が写っている写真をグループにまとめておくことが可能。「撮影地」は、撮影した場所を地図上に分かりやすく表示してくれる。これらに加え、自分で好きな写真を選んで管理できる「アルバム」機能なども搭載されている。

iPhotoの「イベント」画面。イベント単位で写真をグループ化しておくことができる

「写真」画面。撮影した日時にしたがい、時系列で写真を並べて表示してくれる

4つの管理画面の中でも印象的なのが「人々」だろう。iPhotoには顔認識機能が搭載されており、人物の顔部分のみを自動検出することができる。そして検出された人物に名前をつけると、同じ人が写っていると思われる写真を次々と見つけ出してきてくれる。今回の新バージョンでは、さらに「人物を検索」機能が搭載され、まだ名前をつけていない写真を検索して簡単に名前をつけられるようになった。

「人々」画面。写真を人物単位でグループ化しておくことができる

「人物を検索」機能の画面。名前をつけていない人の写真を探し出してくれる。顔検出精度はかなり高いが、たまに仏像やお面のような人物以外のものも検出されることがある

また「撮影地」機能も使いやすく進化しており、地図の上部に撮影した国や都道府県、都市、場所などにダイレクトにアクセスできるメニューが搭載された。これにより、撮影地の詳細地図を、より簡単に表示できるようになった。

「撮影地」画面。GPS機能のついたカメラや携帯電話で撮った写真の場合、このように撮影場所が赤いピンで地図上に表示される。GPS機能のついていないカメラで撮影した画像でも、自分で後から撮影地を入力することで地図上に表示させることができる

「撮影地」画面上部のメニュー。撮影した国や都道府県、市町村の詳細地図をワンステップで表示できるようになった

このほか、写真の詳細情報を参照できる情報欄の一覧性も高くなり、Exif情報はもちろん、写っている人々や撮影地情報、キーワードなどが一目で見渡せるようになった。また、写真をメールで送ったりFacebookで公開したりした場合、そのログも残るようになっている。

写真の詳細情報をひとまとめに表示してくれる情報欄。iPhotoの写真をメールで送ったり、Facebookで投稿したりすると、このようにログが残るようになった

今回のバージョンから、iPhotoの画面をフルスクリーンで表示することも可能になった。ほかのソフトのウインドウが隠れるため、写真の閲覧、編集に集中することができる