理論的に正しく、とても便利なEVF

α55のファインダーは、レンズからの光を直接見る光学ファインダーではなく、撮像素子に映った像を投影するEVF(電子ビューファインダー)。従来のEVFに比べると非常に見やすく、色のにじみも少ない。ディレイ(表示の遅れ)も少なく感じた。純粋な光学ファインダー以上に見やすいとは言い切れないが、十分使えるEVFに仕上がっている。ピント合わせの時に拡大して見られるのも便利なものだ。

EVFだからホワイトバランスや露出補正の具合も撮影前に確認できる。ライブビュー時のモニター表示とほぼ同じ、大量の情報がファインダーに接眼したまま見られるから、安心して撮影できる。また、歳をとって老眼が始まった私のようなユーザーにもありがたい。情報の多いライブビューは便利だが、モニターを見るためにメガネが必要になる。EVFならメガネなしでそのまま確認できる。欲をいえば、各情報の文字をもっと大きくしてもらえると、さらにありがたい。

また、α55はアイセンサーを装備していて、ファインダーを覗けばEVFが働き、顔を離せばモニター表示に切り替わる。これがとても自然で使いやすい。上面のボタンでどちらかの表示に固定もできる。ファインダーを覗くと自動でピントが合うアイスタートAFも装備するが、これは初期状態ではオフになっている。最初は戸惑う人も多いようなので、これは正解だろう。

見え方は若干色がキツいようにも感じるが、それほど違和感はない。そんなわけで、まだ発展途上の部分もあるEVFだが、現状では十分以上の出来だろう。ちなみに背面のモニターは大きくて、非常に見やすかった。さすがに直射日光が当れば反射するが、とりわけ不便には感じなかった。これを使ってのライブビューはとても快適である。

撮影時の表示パターン1。絞りとシャッター速度の関係が分かりやすい

パターン2。ほとんどの撮影情報が表示される。少々うるさく見えるかもしれない

シンプルな表示。撮影時にピントを合わせる位置を拡大表示することも可能

ピントが合った状態。これはカメラが判断するフォーカスエリア=ワイド

画像再生時の表示パターン1。ヒストグラムや撮影時の情報を一度に表示する

パターン2。左下にGPSによる緯度経度が表示される。そのほか、情報のない画像だけの表示も可能

拡大表示。最大で11.8倍まで拡大可能(Lの場合)。倍率を保ったまま前後のコマを見ることもできる

全体表示から縮小ボタンを押すとサムネイル表示になる。静止画と動画で分かれている

動画の再生画面。もちろんGPS情報も確認できる

アイスタートAFは、EVFを覗くと自動的にピントを合わせる機能。初期状態ではオフになっている

モニターやEVFの明るさは外光に合わせて変化する「オート」が標準。固定にもできる

モニターはバリアブルタイプ。下ヒンジのため、ライブビューでも視線とレンズ方向が一致する