使ってみた印象は「なかなか面白い」という感じだ。携帯電話のカメラ機能が高性能化している今、撮影した写真をプリントしたいという需要も少なくないだろう。

しかし、具体的にどういうシチュエーション、どういうユーザーにとって利便性が高いのかは未知数な部分が多い。ネットワーク接続可能なフォトフレームなどと同じく、田舎の祖父母の元に置いておけば、インターネット経由で孫の写真やお得情報を送る、という使い方はあるだろう。しかし祖父母自身が設定やインク交換、用紙補給を行うというのは少々ハードルが高そうだ。頻繁に来訪し、メンテナンスできる人がいるならば使いやすいかもしれない。

アプリケーションが充実し、使いやすくなってくれれば、旅館のフロントやショップ店頭で顧客サービスに活用するという可能性はある。出先からオフィスにFAXを送る感覚で資料を送っておくという使い方もある。事業所間でFAX代わりに活用すれば、通信費削減にも役立ちそうだ。

工夫次第でいろいろ使えそうではあるが、個人的に最もいいと感じたのはプリンタドライバが不要なことだ。ネットブックなど複数端末を使う環境や、来訪者が気軽にプリントしたいという状況でも、メールアドレスさえわかれば簡単にプリントができる。ネットカフェなどでのサービスにも活用できるのではないだろうか。

将来的にはフォトストレージ機能を持つコミュニティサイトを立ち上げ、共有している写真のプリントやドキュメントプリントなどができるようになるという可能性もある。今後のサービス充実に期待したい。

■試用機の仕様
製品名 HP Photosmart Wireless B110a
印刷方式 オンデマンド型サーマル・インクジェット
インクシステム 4色独立インクシステム
給排紙方式 前面給排紙
用紙サイズ A4、A5、A6、B5、封筒、ハガキ、往復ハガキ、L判、2L判、カスタム用紙設定(76.2×101.6~215.9×762mm)など
プリント解像度 最高4,800×1,200dpi
プリント速度 モノクロ:最高32ppm、カラー:最高30ppm
自動両面印刷 なし
給排紙トレイ 給紙:普通紙最高80枚、排紙:最高15枚
スキャン解像度 光学解像度:1,200×2,400dpi、最大補間解像度19,200dpi(CIS)
インタフェース USB 2.0、IEEE802.11b/g/n
メモリカードスロット メモリースティック Duo(PRO Duo対応、マイクロにはDuo用アダプタが必要)、SDメモリーカード(SDHC対応、miniSD/microSDにはアダプタが必要)、MMC
サイズ/重量 W452×D299×H200mm/6.02kg
対応OS Windows XP/Vista/7、Mac OS X v10.44~、v10.5~、v10.6
付属品 インクカートリッジ一式、ドライバCD-ROM、USBケーブル、電源アダプタ、電源コード、用紙サンプル、保証書
HP Directplus価格 12,810円